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何処で服を買ってんだ? [人間ドラマ]

群馬八幡駅前の一本道の途中に、トータルファッションと謳ってる1軒のブティックらしき店がありました。
トータルファッション.jpgブティック2.jpg
へぇ。。。
あるんですねこういう店が。
高崎駅近くならともかく、市街からかなり離れた郊外なのに、個人で営ってる洋服店があるんだ。1日の売上は幾らくらいあるんだろう。
この店の前を立ち去ってから思い出したことがある。ウチの社員で上州の子たちは普段どういう店で服を買ってるんだろう。。。

最近、我が社はマナー向上を謳って服装にウルさくなってきたのです。
支店から本社に抜擢されたKという女性社員がいます。Kは服もメイクもハデな女性だったのですが、本社で勤務する条件として、①服装を地味にする、②髪型を黒くする、③メイクを常識範囲内にする、こんな条件が付随して抜擢された。(前に載せたかな。)
Kは日々地味に転換する努力を重ね、日が経つに連れてオフィスレディに変貌してきた。以前はヒョウ柄のパンツとか履いてたクセに、今は淡い色の服になってきた。
「最初は着るものがなくって。揃えるのがタイヘンでしたよぉ」(K)
「ふ~ん。努力は認めるが、今来てる服はお前の趣味、路線じゃねぇしな。無理しやがって」
(-”-;)
古着屋で揃えたんかい?」
(-”-;)[パンチ]
本社の男性はスーツです。楽ですはっきり言って。でも女性は毎日毎朝どんな服装で行くか考えるからタイヘンみたいですね。
東京はまだいいんです。電車で来るから人に見られる。見られてるという意識があるから努力するんです。困るのはくるま通勤の上州の社員たち。日ごろの服装がイモでイモでしょーがない。その辺のコンビニに買い物に行くような、遊びに行くのと同じようなラフなカッコしてくるんですよ。

もう時効になるので載せます。大分以前の話になりますが、春先に体制が変わり、その説明会が上州某所で開催された時のことです。
その会では私が上州担当を解かれる旨も発表されたんですが、説明会終了後に懇親パーティーが開催された。
開催前に東京から、「出席者は準フォーマルでお願いします」というお達しが出た。だが、ウチの子らは、準フォーマルの意味がわからない。
「準フォーマルって何ですか?」(A子:聖なる酔っ払い女)
そういう質問が来ると思ったよ。自分で考えなさいと言いたいが、私もよくわかってない部分はあるのだ。
「礼服ですか?」
「そこまでいかないな」
「スーツですか?」
「いや、スーツでなくてもいいんだけど、アナタたちのいつものカッコはダメだよ。本社からお偉いさんたちも来るし、その人たちはそれなりのカッコして来るし」
「???」
よく理解できないらしい。
本社のお偉いさんはALL男性で、私も含めて準フォーマルどころかスーツネクタイで来ればいいのだ。如何に男性の服装が楽だってことですね。
でも上州の子たちはくるま通勤だから誰からも服装を見られない。家からくるまで来るってことは職場へドアツードアで、通勤電車じゃないから誰に見られるわけじゃないし、船山温泉スタッフみたいに家で起床して仕事着に着替えて、そのままくるまのエンジンかけて出勤するようなもんですよ。
まぁ仕方がないんだけどね。一家のくるまの所持数がTOPで、女性の所有するくるまの数もTOPの県ですから。
だが、メイクもロクにしてこない子もいるんだよ。眉すら描いてないんです。
「せめて眉くらい描けよっ」
「誰も見てないですよっ」
「俺が見てるんだっ!!」
そしたら無視された。俺のことは意識しないらしい。バカにしやがって。なのにこういう説明会、パーティーの時だけ、「何を着ればいいんですか?」って甘えたような質問が数件来たんです。

服装もそうだが、靴もそう。
「靴は?ヒールじゃなきゃダメなの?」
こういう質問がホントに来るんですよ。スカートなんて誰も履いてないからね。
「ヒールでなくてもいいけどさ。運動靴やサンダルはダメだぞ」
「サンダルでは行かないけど・・・」
「あまりよくない例えだが、通夜や葬式に運動靴で来ないだろうがよ」
「会場で履き換えたらいいのかな?」
くるまの中では運動靴で、会場に着いたら履き替えるんだって。まぁいいよそれでも。

若い子ならまだしも、そこそこミドルの女性からも質問が来た。
「あの・・・あの・・・」(笑ふ女)
「あの・・・がどうしたんだっ!!」
「ぶふふっ(笑)、準フォーマルって結局はフォーマルでもいいんですよね?」
「そりゃいいけどさ・・・」
私は連中のイモな質問にマジメに応えるのがめんどくさくなってきたよ。だいたい東京が準フォーマルなんて言うから余計に混乱する。フォーマルでいいんだ。
「フォーマルはたまに着ないといざという時に着れなくなるぞ」
「あっそれはわかります。でも大丈夫です。ウチって90過ぎた年寄りがいるのでいつ何が起きてもいいように。昨日も久々に着てみたら着れましたから。ぶふふっ(笑)」
「ああヨカッタね。でも家庭の事情はいいよ。でも前に俺に話があって会食した時も、何だかその辺にゴミ捨てに行くようなカッコして来たじゃないかっ」
「あ、あの時は休みだったからですよぅ」

そして当日、驚いたことに。。。
処理済~ぱぁてぃー.jpg
。。。説明会を兼ねたパーティー当日、ベテラン女性はともかく若い子たちは殆どがリクルートスーツだったんですよ。
(コイツら。。。)
私はやや呆れた。恥ずかしかった。
(イモどもめ。。。)
俺らと出会って3年めなのに。3年めになっていつまでもリクルートスーツを着てるんじゃないよっ。服を持ってねぇのかっ。。。

服を持ってない???
そこで冒頭の洋服屋さんの前を通って改めて思い出したのだが、あまりカッコいい、というか、ちゃんとした、というか、オフィシャルな服を持ってないらしいのがわかった。
マズイぞ。来年に社のマナー改訂があって、春までに全社員がジーンズ、TシャツがNGになるんです。上州だけ特別ってわけにはいかなくなるんです。
そのマニュアルは既に配布されたらしいが、Eというオバちゃん社員から質問が来た。(質問の多い連中なんです。)
「配布されたマニュアル見たら〇衣の下はTシャツじゃダメだって書いてあるんだけど・・・」
そう書いてあるんだからそうなんだよ。
「そうだよ。あのマニュアルは過分に営業的発想だけど、Tシャツは襟が無いし柄によっては遊びの部分があるからね」
ブラウスなんて皆持ってないよ」
「ブラウスを持ってないだと??」
確かに着てるのを見たことないな。
「持ってなければ買えばいいじゃないか」
「買わなきゃダメなの?」
「持ってなけりゃ買うしかないだろうがよ」
「会社で買ってよ」
これは相手も冗談で言ってるんですが私は真に受け、「営業マンが会社経費でスーツネクタイを買うかよっ」
一方的にTシャツはダメって決められて恐慌状態になったようですね。持ってないってのは言い訳でしかないんだけどね。
(このEというオバちゃんは過去に登場しています。)
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-03-18

前述のA子(聖なる酔っ払い女)からまた連絡が来て。。。
「おう、皆元気か?また月末に行くけどさ」
「元気ですよ~。また冬のボーナス出たのでルンルンで~す」
「ああそう。それは夏に〇長が頑張って申請したんだよ。それをベースに冬季賞与が出たわけさ」
私が上州担当だった時代に私とソリが合わなかった〇長は地方に転勤して今はいない。でも去る前に、残った社員の為にかなり頑張って賞与金額を申請したのは私も知っている。やはりある程度、出世しないと会社って変えられないんですよね。
何たって上州の社員はこれまで最低賃金だったから。都心と物価が違うし格差があるのは仕方がないが、よくあんな安い給料でガマンしてたと感心するよ。実家からくるま通勤とはいえ年頃だし、ちょっとした贅沢もできなかっただろうしさ。
さて、質問して来たA子はまだお洒落というか大人の服は持っている。
それは酒飲みだからだと思う。いや、訂正、飲みに行く機会があるということ。そういう店を知ってるんです。ダサいカッコで飲みに行かないみたい。で、賞与が出てルンルンなら、せめてその賞与でオフィシャルな服を買いなさいよと。A子はリーダーなんだから私宛に直接くだらない質問が個々に来るんではなく、アナタが皆に徹底しなきゃダメなんだよっ。
そうこうしてるウチに上州の子たちを集めてマナー研修が開催され、正式にTシャツやジーンズがNGになったのですよ。いきなり明日からではなく、猶予期間を置いて新年、もしくは春からです。
「これからマナー研修なんです」
「ああそう。行っといで」
「スーツが暑いです」
「普段着ないからだよ」
翌日だったか数日してから、またそのマナー研修に関して私に質問事項が来たんだけど、私はAに呆れ口調で、
「アナタはまだしも皆ボーナス出て年収が上がったんだから少しは着るものに金を使いなさいよ。前から気になってたんだがM子、A香、T子(空き缶プレス嬢)どもはいったい何処でどういう店で服を買ってんだい?いつもいつも襟がダヨンダヨンに伸びたTシャツばっか着やがってさ。まさか〇中市のスーパーとかで買ってんじゃねぇだろうな。もう来年早々か春頃からはジーンズやTシャツはダメになるんだよ」
「ち、ちょっとっ、い、い、・・・幾らなんでもっ・・・街中のス、スーパーでは買わないですよっ。ちゃんと高崎までは買いに来ますって。。。」
わざわざ買いに来るのか。ちなみに私が高崎で唯一買っていた服屋さんがこれ。チョイ悪系のガラガラが置いてあったので。
私が買ってた店.jpg
KANAYA.jpg
俺のことはいい。
「郊外にユニクロや島村ならありますよっ」
し、しまむら。。。
あれは家庭の普段着を売ってる店ではないのか?
「俺はユニクロなんか行ったことない。行っても着たい服がないんだ」
「ああ、〇〇さん(私のこと)はカジュアル似合わないですね。でも家ではどんな服着てるんですか?」
「家でか?」
「ハイ」
「作務衣だけど」
「サムエって何ですか?」
「さ、作務衣ってのは。。。」
蕎麦屋や居酒屋のオヤジや、温泉旅館の制服だよって説明した。傍らにいたヤンキー社員が、「それじゃ〇〇さんコレじゃん」と言って、自分の頬を人差し指で上からなぞったという。(ヤ〇ザの意味らしい)
「いや、俺のことはいいって。服もそうだが髪型もだぞ。美容院はあるのか?」
「ありますっ」
「親にカットして貰ってんじゃないのか?」
「そ、そんなことないですっ。さっきからもうっ、東京と比べないでくださいっ、ここは群馬なんですからぁ・・・!!
「・・・」
だが本社は地方だけ特例扱いはしない。このネタはまだ後日譚があるのだが、それはⅢに持ち越します。
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デリバリー [人間ドラマ]

群馬に赴任する前、週1日販売部門で某店舗勤務だった私は、今年もその店舗の半期決算前営業最終日の棚卸に応援要員に呼ばれました。
呼ばれる前にちょっとモメたの。その現場の責任者が言うには、
「〇〇さん(私のこと)を貸して下さいってお願いしたんですけど、何故か伊東さんがOK出さないんですよ」
伊東とは現場統括部門の統括者。伊東甲子太郎(仮称)といいます。そヤツは管理部門に廻った私を古巣に戻したくないようなのだ。
結局はギリギリになって人が足りなくなり私に依頼が来たのだが。。。
「伊東さんは〇〇さんを現場に戻したくないみたいですね」
「俺がいるとやり難いからだろう」
「そうなんですかね?」
私はせせら笑った。
「男の嫉妬だよ」
それを聞いたジャン妻は、「それも確かにあるけど、そうやって伊東さんの足を引っ張らないの。彼はアナタに頼らず自分とこの部署だけで完結させたいんだから」と援護する。
「お前は俺と伊東のどっちの味方なんだ?」
「・・・」
答えが返ってこなかった。
どうも目に見えない何かが私の行く手を阻んでいるように感じる。まぁ結局はOKが出たんですが、行ってみたらかつて私がいた現場は群馬に行く前とメンバーがかなり変わった。
船山史家の呟きⅠでよく登場した肉ばっかり喰ってる女性、肉子さんと呼ばれていたT子は、30台半ばを過ぎて今はもうすっかりお局様。相棒の雪子が本社に抜擢されたので、ツンケンしながらひとりで頑張っている。
「仕事を長く続ける秘訣はいまどきの若い子と会話しないことだよ」な~んて豪語しているので、若い衆に畏怖されています。
天然ボケのYokoは退職した。
若手女性で他店の店長に抜擢されたのが3名、入れ替わりに入社、採用されたのが4名、殆ど私と初めて会う、会話するヤツらばかりだった。小僧や小娘ばかり。彼らは私を見て若干緊張気味である。
そうそう、私に山葵抜きの寿司を喰われた女性2人は今も現職です。
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-04-10-2
棚卸は夜勤になるので社の経費で夜食が出るんです。上限は1000円。出前ですね。寿司やホカ弁とか。ピザなんかもOKです。
やっちゃいけないのは、店長がひとりひとりに1000円札を渡して、「好きなの買って来い」、「喰って来い」、これは倫理上マズいんだと。それだと現金、現ナマをあげちゃってるのと同じだからね。
コンビニでまとめ買いしたレシートなんかでもまぁ処理できないことはないけど、できれば同じ釜の飯を喰うように、一か所から取り寄せて皆で囲むのが望ましいのだ。

「〇〇さん(私のことね)お弁当どれか決めてよ」(T子)
メニューを渡された。
某ファミレスのデリバリーだった。
(またかよ。。。)
前述の過去記事では私が間違ってワサビの苦手な女性2人のワサビ抜きの寿司を喰らってしまって大ヒンシュクを買ったのだが、人のを喰っといて何ですが、ワビ抜きの寿司ってマズいですね。それから寿司に懲りたのか、ずーっと某ファミレスのデリバリーだそうです。
それ以外にCoCo壱やどっかの中華にしたことがあったが、CoCo壱のデリバリーを人数分取ったら控室が凄いニオイになった。
夜食で中華は飽きます。冷めると油が固まるんです。油っ濃いので女性陣からNGが入った。
ピザも最初のひと口はいいけど喰ってると飽きるそうです。それと配達圏外の問題もあるらしくオーダーがめんどくさいんだと。
甘い洋菓子、ケーキなんかでも悪くはないけど夜食の指針から逸脱してしまうし。
私の世代でよくあった蕎麦屋の出前とかは、今どきの子は見向きもしないね。
最近の子は偏食傾向にあるが、それやこれやで近年はもっぱら某ファミレスのデリバリーをネットで注文する。オーダーチョイスによってはホカ弁よりバランスが取れてはいるんです。
でもやはり肉が多いね。グリル系のハンバーグ、焼肉、チキンといったもの。肉よりエビフライの方が高いみたいですね。
会社で認められた上限が1000円というのもちょっと微妙でね。かつては消費税率5%だったのが今回は3%Upの8%でしょう。いずれ10%になったら内容も変わってくるだろうし、税率が上がった分だけ内容がショボくなるかも知れない。
「1000円をちょっと超えるだけでも豪勢になるんだけどねぇ」(T子)
T子はメニューを見ながらボヤいている。鶏の唐揚げにしようか、ハンバーグや生姜焼きも美味しそうだなって目移りするらしい。T子は肉ばっか喰っていたら社内健康診断で異常値が2つ検出され、30台半ばを過ぎてからようやくイヤイヤながらも野菜を少しは喰うようになった。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27-2
「1000円を超えた分、自腹じゃダメなのかな?」
「ねっ、でしょっ?でしょっ?1000円をちょっと超えたら途端に豪勢に見えるでしょっ?経理に聞いてみてくださいよぉ」
私は止せばいいのに経理に聞いてみたんだが超えた分の自腹はダメだって言われた。領収書に表示された金額を会社経費分と自己負担分で分けて処理できないんだと。

デリバリーが届いたら、誰かが先に封を切らないとなかなか片付かないので、真っ先にゲストの私が開封してガツガツ喰らう。まだ少しだけ温かい。
処理済~デリバリー1.jpg
「ダメですよっ他の人の食べちゃっ」(T子)
「まだ言うかこの野郎、大丈夫だよっ」
「お弁当の蓋に名前が書いてありますもんね」
「そこまでするかよ。自分で注文した弁当くらい覚えてるだろうがよ」
「よくそう言いますね」
「俺が過去に間違えたのは・・・寿司なんて見た目はどれも同じじゃないか。ワサビ入ってる入ってないなんて見ただけでわかるもんかよ」
「でもワサビ抜きて書いてあったハズだよ」
「・・・」
デリバリー2.jpgデリバリー3.jpg
「和風ハンバーグどうです?」(T子)
「まぁまぁだな」
T子は人が喰ってるのを見て、自分のより美味しそうだなと思う子なんです。
グリルは時間が経てば経つほど冷めて固くなるからね。私の後で食べた連中のチキングリルや生姜焼きは冷めて固くなってたとか。
「デミグラスソースじゃないんだ」
「和風がいいの。デミソースはお子様が喰うんだよ」
T子はチキングリルをライオンのようにムシャムシャかじりながら、時折付け合せの野菜をマズそうに口に運んでる。
「野菜喰ってんじゃんか」
「食べますよっ。もう若くないですから」
「そうかぁ。トテモ3〇歳には見えないぞ」
「アタシもそう言われて喜ぶ年齢になったんだよっ」
だんだんとタメ口になってくる。ヒネクレてないで、「アタシってそんなに若く見えるぅ?」って素直に喜べばいいのにさ。
「T子さんって、〇〇さん(私のこと)が面接したんですよね?」(別の男性)
「そうだよ。第一印象が良かったからさ。見た目可愛いかったので(過去形か?)即座に採用した。そん時は20台後半だったんじゃないか?」
「27か8だった・・・ネコ被ってたかも・・・」(モグモグ食べながら言うT子)
「もう10年近くいるんだから如何に俺に人を見る目があったかってことだよ」
この私の自画自賛自慢には誰も反応しなかったが、
「でも面接した時はこんなキツい性格だと思わなかったけどなっ」
これには反応が返って来て、T子はチキンを齧りながら目をひん剥いた。
処理済~チキングリル.jpg
私の隣に座って喰い出した小僧、昨年入った新人が私にナマ言うのは、
「〇〇さん(私のこと)って前に・・・ワサビ抜きを食べちゃったんですよね?
私は箸を持つ手が止まった。
「何故お前がそんな話を知ってるっ?」
「いや、ゆ、有名ですよ・・・」
有名?
何が有名なんだ?世代が代わりつつあるのに誰が言い触らしてやがるんだ?

デリバリーをガッつくT子
処理済~T子.jpg

後日に棚卸お疲れ会が都内某所で開催されメンバーは私を入れて4人、ウチ2人が女性でその2人はワサビ抜き事件の犠牲者。
写真はないです。被害者、ワサビが苦手な女性2人が刺身盛り合わせにワサビを浸けて喰っているじゃないか。
「ワサビ浸けるの?」
「あれから少しはつけるようになったのよ」
あれから。。。???
あれからってことは、やはり記憶から拭いきれないみたいだね。いいトシしていつまでも覚えてないでさ。
「もっと浸けようよ」と、ワサビの塊を刺身に載っけようとしたら、
「やぁめてぇっ!!」
絶叫が帰ってきた。

あの事件の時、T子(肉子)はニヤニヤしながら、
「あ~あ」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「食べちゃった」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「わさび抜き食べちゃった」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「言われるよ」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「年内言われるよ」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「次回の棚卸まで言われるよ」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「今年の忘年会まで言われるよ」[わーい(嬉しい顔)]
チクチク言われたが、2011年の事件ですよ。あれからもう3年経って伝説になっちゃったんですよ。
いつか時効になるんかいな。
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髪を生やしてきてください [人間ドラマ]

そういえば、「今度来る時は髪を生やしてきてください」って言われてたのを思い出した。
バカヤロ。無理言うんじゃねぇ。
生えてないわけではないぞ。
ブツクサ。。。
駅構内.jpg
世界遺産.jpg
ええっと、上州玄関口、高崎駅断面図です。
私は駅ビルになる前の高崎駅は知りませんが、東西再開発、上越&長野新幹線の開通等あって、現在のような立体的な構造になったようです。
ジャン実家の本家は新潟県の柿崎というところで、新幹線が開通する前は上越線の長岡~柏崎経由か、信越線で碓氷峠を越えている筈。
だから当時の高崎駅も停車してはいるのだが、全く記憶にございません。単なる通過駅でしかなかったのです。
高崎駅断面図.jpg
くまざわ書店は朝8時から営っている。
くまざわ書店1.jpg
ぐんまの台所おぎのやに並んだ上州三山の銘酒たち。
上州三山の銘酒たち.jpg
ぐんまちゃんショップです。
ぐんまちゃんショップ1.jpg
ぐんまちゃんショップ2.jpg
さぁ今回は群馬の社員に会わずばなるまいて。どうも8月9月と密かに来たのがバレたらしい。無沙汰を詫びる意味でもどこかで差し入れを買おうか。
女性社員が多いせいか、何でもいいから土産物、差し入れ、お口汚しのお菓子を買って行くと、話の潤滑油になってスムーズにいく・・・とまで言わないが、それほど荒まないのがこのトシで今頃わかった私。ただ、自分がスイーツとか甘いお菓子を全く知らないだけである。
関係を修復すべく?何でもいいから手土産を持参してやろうと思った。もちろん自腹ですよ。
2FにあるSopra Sweetsの、Patisserle Lienをウロついた。
2FPOP Town.jpg
ぐんまちゃんロールケーキというのがあるのだが、ロールケーキの側面、円周面にぐんまちゃんのカオがあるのです。カオにナイフを入れなきゃなんないので止めた。そういうデザインはどうかな。一考を要するのではないか?
ぐんまちゃんカステラ焼きにした。
このカステラ焼き、パッケージがツルツル滑るのである。
買い物カゴがないぞ。6個買ってレジに持って行こうとしたら、片腕でカバンを持ったまま両腕で抱える恰好になり、ツルッと滑ってしまい、売店フロアに6個ともバラバラバラっと落っことすハメになった。
カステラ焼き1.jpg
現場に持って行く。
「やぁ。。。」
「・・・」
聖なる酔っ払い女、Aはじと~っと上目使いに私を見ている。前回、訴えたいことがヤマほどあったのに、こっちに来ていながらカオを出さなかったことでちょとだけプンプンである。
このツンデレめ。でも全く無視してたのではなく、メール等でアドバイスはしてたんですがね。
「タイヘンだったな」
「・・・」
「ちょっと心配したよ」
「ええ、まぁ、今はもう大分、落ち着きました。あの時、渦中に来てたらヤバかったかもです。あっお菓子ですねっ。どーもですぅ。。。」
事態は解決していないようだが、こうして一度、口を開いてしまえばもう大丈夫。

Eというオバちゃんがいる。
過去に、イニシャルという記事に登場してました。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-03-18
前回、「今度来る時は髪を生やしてきてください」のメールを送って来た怖いもの知らずのオンナである。
私は持参したぐんまちゃんカステラ焼きを休憩室のテーブルにポンと置いて、Eをフン捕まえ、
「てめぇ誰が〇ゲだってぇ!!!」 (-“-;)
「〇、〇ゲなんてそこまで言ってないよっ」[あせあせ(飛び散る汗)]
「髪を生やして来いてのは言ったも同じだっ」
「いや、いや、皆、そう思ってるって。そこにいるSさんだって思ってるし。。。」
Eは傍らで弁当を喰ってたSという主婦を巻き添えにしてまで言い訳にならない弁明をした。Sは弁当の箸が口の手前で止まった状態で固まってこっちを恐々見ているじゃないか。
「誰が俺をどう思おうと勝手だが、Sはお前みたいに〇ゲなんて口に出さないだろうがっ」
「だって、だって、生えてないじゃぁん」[あせあせ(飛び散る汗)]
「バカヤロ!!生えてないわけじゃないっ。薄いだけだっ!!・・・(・・・ここで口調を和らげ・・・)・・・あまり容姿をどうこう言うのはよくないよ」
そしたら横から口を挟んで来たガタイのいいオンナがいる。
「〇〇さん良く言いますね」
「・・・」
「アタシ、避雷針女って言われました」
(シマッタ。。)
このオンナはガタイがよくて空き缶を捻り潰すパワーを持っている。背も高いのだ。8月に群馬八幡~高崎で雷雨に見舞われた後で、お前は背が高いから外に出るなって連絡した子。
私は途端に歯切れが悪くなった。
「ああ、あん時は悪かった。背の高い女性はそれを気にする傾向にあるってのが別件でわかったからもう言わないよ」
「別件?」
神奈川で同じようなことがあって。。。」
「避雷針って言ったんですかっ?」
「いや、電信柱って」
「!!!」
「本社から電話して、店の高い位置に掲示してある許可証の番号を教えろって言っただけだよ。でももうそういう路線は言わない。打ち止めにするから」
ここですかさず差し入れのお菓子を渡したつもりが既に封が開いているぞ。
「既に二ついただきましたぁ」
(もう二つも喰ったのか。。。)
「全部ひとりで喰うなよ」
「生やさなくっていいからさ、今度、若い頃の髪のある頃の写真持って来てよ」(E)
「まだ言うかこの野郎。。。」
傍らでは空き缶プレス&避雷針女が3個めのお菓子をガッついていた。
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東京みやげ いち挿話 [人間ドラマ]

「今度いつ来るんですか?」
口の利き方がなってない社員、上州のヤンキー娘からである。取って投げつけるような言いグサ。
「〇月の後半かな」
「じゃぁ来る時に東京〇〇〇買ってきてください」
「東京〇〇〇???」
「そうです」
「そういうお菓子があるのか。それって何処に売ってんだ?」
「知りません。〇〇さん(私のこと)東京でしょ?」
そんなのも知らないのみたいなゾンザイな物言いをしやがったな。東京〇〇〇というからには東京駅にはあるんだろうけど、横浜市内の某駅から湘南新宿ラインで直行すると途中下車なんかしないし、東京駅は素通りになるぞ。
でもそういうお菓子で現地の子との潤滑油になるんなら買ってくか。
見いつけた.jpg
売り場.jpg
店員さんに聞いたの。東京〇〇〇ってどういうものを買えばいいんだって。限定品もあったけど、オーソドックスな定番を教えてくれた。
「領収書は?」
「いらねーです」
客先への贈答品に見えたのかね。
そういえば以前、支店にお土産を買って現場の機嫌を取る上役がいた。
だが経理ジャン妻が言うには、そヤツしっかり領収書を切っていたのである。経理に伝票が回るからね。営業畑から来たのでこれまでもずっとそういうやり方だったんだろうね。
だけど自分の狙った支店にしか土産持って行かない。それを知った受け取った側の女性社員の評判は芳しくなかった。結局はその経費は持ってった支店の負担になるからです。
小渕優子さんを追求した野党の議員さんが、「そういうのは自腹を切って・・・」と言っていたがホントそうだと思うよ。
「公平を期すなら全店に持って行くべきですよね」って総務の女も言ってた。でも数が増えるとそんなのできっこない。私だって「買って来て」と言われただけであって、その現場だけへの依怙贔屓なのはわかってる。
でも領収書なんか切らないですよ。

現場に行って控室の扉を開けたら、「買って来い」と言った当人はこの行儀悪い体たらく。
処理済~ヤンキー.jpg
休憩時間とはいえ突っ伏して爆睡すんなよ。背後に立った私に気付かないので声をかけた。
「おいっ」
振り向いて、「あっ」
「おらよっ!!」
手渡しました。
「ホントに買って来てくれたんだぁぁぁぁぁぁ!!」[わーい(嬉しい顔)]
「おまえが買って来いって言ったんじゃねぇかっ」
話を遮り、「・・・〇〇さんも食べる?」
「俺ぁそういう甘いお菓子は喰わん」
「そう言わないで半分でも・・・」
「半分???」
ちょっと躊躇した。
「でも半分だけかじって俺の口に合わなかったらもう半分捨てることになるよ」
そしたら途端にブスくれた表情になった。自分がススメたのを何で断るんだという表情である。だけど買って来たのは俺だぞ。
「だったら・・・」
その子は封を破いて東京〇〇〇をひとつ取り出し、半分にちぎったヤツを私のカオの前に、鼻っツラに突き出した。
「これならいいでしょ」
そうまでして食わせたいかよ。食べなきゃ許さないと言わんばかりである。しゃーない、半分を口に含んだ。咀嚼したら甘いのなんの。。。
東京○○○.jpg
「甘ぇなぁ」
俺はカオをしかめた。
「そんなに甘い?」
「甘い・・・」
「よかったらもう半分。。。」
「要らねー」
「じゃぁコーヒー飲む?」
「煎れてくれ」
インスタントコーヒーを入れてくれた。
犬か俺は。餌付けされてるのか。
これが、仮にも上役と、一般社員の会話か!!
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あの夜との再会 [人間ドラマ]

滞在中ランチによく通った店です。
夜はこんな感じ.jpg
今はちょっとリニューアルしてこんな感じです。
鬼道楽2.jpg
過去記事の再掲載になるけど当時のランチが美味くってねぇ。
カキフライセット.jpgカキフライUP.jpg
けんちんうどんセットと小鉢2品.jpgずるずるっ.jpg
はるな豚生姜焼きセット.jpg生姜焼きUP.jpg
ヒレカツカレーセット.jpgカツカレーUP.jpg
ポークカレー.jpgカレーUP.jpg
ヒレカツカレー時のサラダ.jpgポークカレー時のサラダ.jpg温泉卵とヒジキ.jpg
温野菜とおでん.jpg玄米ご飯.jpg味噌汁.jpg
カキフライ.jpgグリーンカレー1.jpg
グリーンカレー2.jpgグリーンカレー4.jpg
ソースカツ丼.jpgソースカツ丼セット.jpg
カツの断面.jpgちょっと変わったメンチカツ.jpg
鯖焼き.jpg唐揚げ他.jpg
小鉢たち.jpg珈琲.jpg
なかなかのもんでしょう。全て手作りですよ。知ったのが遅い時期だったので2ヶ月程度しか通わなかったけどね。

夜に前を通るといい音、歌声が洩れ聞こえてましたね。
上州を去る最後の週、ランチの時にカウンターによくいる初老の男性がママの兄さんで、「よくお見えになりますが、何処にお住まいなんですか?」
そこで私は、「羅漢町に住んでますが、今週末に東京に帰らされるんです」って話になり、傍らで聞いてたママが仰天して、「またお昼のお客さんが減っちゃう~。だったら夜おいでよ。今週金曜なら予約入ってるから・・・」
ここがミソなんだけど、予約は入ってるとはいえ一般客じゃないんです。完全貸切の会員制で、お店のママの友人ばっかりだといっていい。もしくはその友人関係者のサークルとか。ママがその人物を認めないととダメなの。
「私らなんかがいいんですか?」
「大丈夫よ。変なお客さん一人もいないから」
その時の記事です。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-04-20
最期の夜に初めて会う方ばかりだったが、皆さんきさくな方ばかりで、初参加の私らを温かく迎えて送り出してくれた。私らを紹介した下りがふるっていて、
「こちらの方は今夜初めてのお客さんだけど送別会なのよぉ」
お店の人以外はホント、一期一会だったんです。
東京ではまず流れない歌が流れた。
「愛されて高崎」
「前橋ブルース」
「幸せはここに」
この地にあった幸せを振り切って私は東京に戻らざるを得なかった。初めて入った夜が最初で最後、一期一会。歓迎されて歓送された夜が明けたら私らはこの地を去ったのですが、その後平成25年は出張という形で来ていたので、この店の前を通ると、ああ、あの夜のひとたちがいるんだろうなと感慨したが。。。
入れなかったんです。遠慮した。あのまま一期一会でしまっておきたくもあった。
でも、内心では。。。
ここを開けてくれよ♪
一杯だけでいい♪
暗い夜から逃げてきたのさ。。。♪
(逃亡者・・・柳ジョージ&レイニーウッド)
鬼そば.jpg
豪雨があがったら人智を超えた何かが再会の扉を開けてくれた。
NANAを出て店の前を通ったら、タバコを吸いに?携帯で電話しに?外へ出て来られたのはママの兄(アニ)さんでした。私らを夜に迎えてくれた人です。
「入りなよ」
「いやぁ。。。」
ちょっと遠慮、固辞したのね。だってあれだけの会を開いていただいたのに今日まで疎遠になっちゃったのと、ずっとご無沙汰だったのが申し訳ない。でももうひとりの自分が、これを逃したらもう展開しないぞって囁くから。その男性に誘われて1年半ぶりに入った。
店側は飛び入りかと思ったらしい。兄さんが、「○○(ママの本名)、この方、前にこの店によく来てた・・・」
「アラ??」
一期一会だったあの夜のメンバーが全員いるではないですか。。。
あれから1年と半年経っている。最初は私のことをすぐに思い出せなかった人もいたが、「平成25年3月30日のただひと夜です」って言ったら思い出してくれたみたい。
処理済~再会2.jpg処理済~再会1.jpg
処理済~再会4.jpg処理済~再会3.jpg
「今そこで出っくわさなかったらそのまんまホテルへ帰ってましたよ」
「来た時は何処で飲んでるの?」
「お隣のNANAとか。〇潮さんとか」
「ああ、NANAね。よく行くんだ。あそこ行ったことある?ホテル近くの焼き鳥屋・・・」
「鳥久でしょ。あのゴツイオヤジさんが変なダジャレ言う・・・」
「そうそう。行くんだ。あそこのオヤジはさぁ・・・」
・・・の先は忘れた。もしかしたら友達なのかも知れない。
現在、以前のようなランチは止めて、リニューアルして手打ちそば屋さんになった。
「妹(ママ)の旦那が昼にここで蕎麦を始めて・・・」
別の場所で手打ち蕎麦、鬼屋を営んでいたのを閉店して、今年の3月にここできどうらく鬼そばとしてOPENしたそうである。
鬼道楽1.jpg
後で記事をチェックしたら、昨年の夏に一度、ゴミ出しに出て来たママと再会してたんですよね。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06
1年半の無沙汰はお詫びしました。
「今までも出張でこっち来てたんだってさ」
「来てたの?出張で?」
「来てたんですけどいつもこの店の前を通って、ああ、あの時の皆さんいるんだろうなぁって思いながら結局は入れなかったんですよ。ドアを開ける勇気がなかった。」
「入ってくればよかったのに。。。」
「いやぁ。ちょっと入れなかったですよ。いきなりフラッとはね。だって会員制じゃないですか」
「会員だよアンタもぉ。もう大丈夫でしょ?」
「今は月曜と金曜にこのメンバーで営ってるから。奥さんも連れてお出で・・・」(ママ)
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これはあの夜の続きなのだろうか。
まだ第二章ともいえない。第二幕の序章でしかないし、この先はわからない。でもこの夜、1年と半年の時空を超えて再びつながったのでもう一期一会ではなくなった。再会の扉が開いたのも何かの導きでしょう。
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That reminds [人間ドラマ]

空。。。。.jpg
残暑お見舞い申し上げます。
暑くて蒸しますね。午前中は晴れてたと思ったら午後か夕方には雨。気温が下がっても生暖かい湿った空気が停滞するからムシムシする。
ジャン妻と、部屋にクーラー入れる入れないの諍いになったりします。そのジャン妻が言うには、
「最近、Blog手ぇ抜いてない?」
「そうか?」
「やっつけ記事に見える」
「・・・」
「気が入ってない」
「まぁな・・・」
痛いことを言うなよ。確かに最近、自分でも思うけど記事内容が薄い。
「あまりノラないんだよな。。。いっとき先日、もう毎日Upすんの止めちゃおうかって思ったもんな」
「でもアナタのリズムになってるんだからさ」
「・・・」
「後になって、続けててよかったって思えるといいね」
前にもチラッと触れましたが、群馬というアイディンティティが遠ざかったのも影響してるんだよね。群馬に拘らず、東京神奈川での人間関係を見直そうとは思っています。

手抜きなんて言われたモンだから昨日の記事に文章書き足しましたよ。

では挿話をひとつ。
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-10-26に登場したU君という女性から、
「Mさんが入籍しました」
「Mが?」
「ハイ」
「そりゃ何かの間違いではないのか?」
「またまたまたっ、何でそういうことを言うんですかっ、ほんとうですよっ」
「ふゥ~ん。。。」
「何ですか?」
「いや。。。」

。。。の後に去来したことは。。。
そうか、あれからもう8年経ったのか。。。

Mは女性です。30台半ば過ぎたかな。
8年前、私が大阪に転勤の内示をしたことがあるんです。
今はクローズしてしまったのだが、当時、大阪市内の現場で急な欠員のアクシデントがあった。
現地で新規採用しようとしたら上から待ったがかかったの。今期はこっち(東京)から派遣しろって。
となると人選と、その候補者への説得が必要なんだよな。
それと、Mはこっち、東京の支店で若干、浮いていた。今でもそうだがセレブな環境に似合わないキャラだった。下町向きなんです。
当初、転勤期間は最初の話だと2年だった。1年だとすぐ過ぎちゃうからね。私はMにある程度の覚悟を持たせる為で2年行けって言い放った。Mは若干グズったが社命に従うしかない。関西のお笑いキャラに通じるMのキャラクター性を見て、行ったら一皮むけるなって思ったのもある。
Mのヤツ、行ったら行ったで大阪の水、空気が合ったらしい。こっちでくすぶってたのが水を得た魚のようになった。口調は関西弁になり、「大阪はオモロいなぁ、食べ物が安くって美味しいわぁ」と言う。キャラ的に友人知人もできたみたいですね。
その頃の私は関西方面のマネージャーを兼務していたので、大阪、神戸、和歌山他、出張に行く途中で現地にカオを出して様子を伺った。
そこの第三者からMに彼氏ができたって噂を聞いた。彼氏もしくは彼氏未満か将来的に発展する可能性を示唆されたんです。それは行った先がMの生活圏になっちゃってそこから離れたくない希望的心情や、会社に対する牽制もあったと思う。「東京に戻さないでくださいね」っていう現場の空気だった。それはそれでMの為に喜んだ。すぐに1年経ったですよ。

だが。。。

当初は2年の予定がわずか1年で東京に戻すことになった。行かせた○長が私に、「Mを戻せ」って。
「Mには2年行けって言ったんですが。。。」
「○○さんよ、(○○とは私のことね)、Mは会社の都合で行ったんだから、その必要が無くなったら戻すのは当然だろ」って冷たく言われた。
それを本人に言うのは私ですよ。Mに「帰って来い」って言ったらMは抵抗した。やや憤慨してた。せっかくこっちに馴染んだのに、いい人もできたのに・・・とは言わなかったが周囲からそういうニュアンスで言われたね。
「○○さん、2年って言ったじゃないですかぁ?」
「それは最長2年だ。お前は自分の都合で行ったんじゃないっ。会社の命令で行ったんだぞっ。だから今回も会社の命令で帰って来いっ」
結局は冷たく「戻せ」って言った私の上司の命令で帰京した。Mは憤り、陰で泣いたと思う。私や会社を恨んだかも知れない。彼氏を含む現地の人間関係と生木を裂くように別れさせたわけだからね。
もっとも話がそこまでいって将来を誓い合ったのなら距離なんか関係ないって私は割り切った。
戻ったMを私は冒頭のU君の支店に預けた。これも欠員が出たからです。
私は私を恨んだかもしれないMとしばらく接点をもたなかった。いつかフツーの会話に戻ったが、私は会社の命令を実行したに過ぎないので、そのウチ忘れた。

それから数年。。。
Mを大阪にとばして僅か1年で戻した冷たい当時の上役は私を呼び出し、上州に「2年行け」って。
ここで疑うべきでしたね。前にMん時も2年って言わせて1年で戻したんだからね。1年後の平成25年春に上州から帰還したらその上役は更迭されてたが、後日会ったのでイヤミを言ってやったよ。
「2年行けって言いましたよね」
「またまたまた・・・なぁにを仰る○○さん(私のこと)。アナタみたいな性格は1年って言ったら行かなかったんじゃないの?」
ここでようやく久々にMのことを思い出したんです。「そうだった、Mのヤツも2年の予定を1年で戻したんだった」ってね。

そのMが結婚か。相手は引き裂いた?かもしれない大阪の人だろうか。
そうあって欲しいという気持ちも何処かにあったのだが、周囲に聞いたらお相手は全く違うこっちの人らしいのだ。
私はMにボソッと言った。
「おめでと」
「へへへへへ(笑)」
Mはデレデレである。さすがに相手は大阪の人か?とは聞けなかったですね。
「お前の気持ちがやっとわかったよ」
「???」
「俺も1年で(上州から)帰らされた。もっとあっちにいたかったんだ」
「ああ、ああ・・・なるほど・・・」
Mは思い出したようです。「でしょ?でしょ?でしょ?アタシの場合だっていっきなりですよぉ。あの時せっかく向こうの水に慣れてきたところでさぁ。。。」
勢いづくなよ。
「そうだったな。あん時は酷いことをした。」
「もういいですけど。でも○○さんの場合、群馬は東京から近いじゃないですかぁ。」
コイツまだ根に持ってたか。思い出させてしまったか。でもこっちで決まったんだし、俺だって同じ思いをしたんだからもう勘弁してくれないかな。

Mは相手の男性と半年たらずで入籍した。
相手に、「結婚してくれなきゃ付き合わない」って付きつけたんだって。それって私が聞きだしたんじゃないですよ。私が冒頭のU君他、周囲から聞いたの。
でも何でそんなことを周囲が知ってるんだ?浮かれたMが周囲に喋くったんかな。
「結婚してくれなきゃ付き合わないって??そ、それじゃぁ脅迫じゃないかっ。俺だったらドン引きになるよ。相手の男性もそれがイヤなら何故断らなかったんだ?」
「あの。。。」(U君)
「???」
「Mさんの相手の方、別にイヤだって言ってないですよ。入籍したんだから」
「ああそうか。。。」
「お祝いしてあげてくださいよ」
そりゃぁその大阪の一件があるから気持ちの上では祝うよ。

失礼ながらMは横綱白鵬関にちょっとだけカオが似てるんです。ふっくらしてる。
体格じゃないですよ。表情です。
住友林業のビッグフレーム構法木造住宅CMに横綱が出て来るでしょう。あれを見ながらジャン妻が、
「そいえばMさん、結婚したんだよね?何て名前になったのかな?」
お前なぁ。何て発想をするか。
これをU君にバラしたらU君は目を剥いた。
「もうっ夫婦揃ってぇ。。。言い付けますよぉ。。。」
そういうU君も今年の春に入籍済み。ようやくにして夢がかなった。
「U君も、結婚しなきゃ付き合わないって相手の喉元に匕首付きつけたんか?」と言ったら眦が釣り上がった。そんなことしてませんって。
M君やU君だけではない。雪子も。。。
地味になったハデ子も。。。
昨年入社した新人さんも2名入籍しましたね。
何だかここんトコ続いてるんです。私から見てまず(嫁に)いかないだろうなとタカぁ括ってたのが次々と。(笑)
Congratulations。。。
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問題児 [人間ドラマ]

体育会系ヤンキー女性従業員の話。仮にAとしておきます。
(1~2回くらい登場してますが。。。)
私が去った後の上州現場管理者が言うには、
「Aは手が早いです。アタマの回転もいい。先を読んで次に何を用意すればいいか即座に判断できる子なんです」
だが優秀社員というわけではない。Aには問題があって、
「Aがいるせいで他の現場の子がそこへ行きたがらないんですよ・・・」

それはAの物言いが原因です。内容ではなく言い方です。
私が目撃したのは、
「前に教えたのにそんなのもできないの?」
「3分過ぎたよ。遅刻だよね」
「もうそれやらなくっていいからさ。こっちやってくれる!!」
言われる側も悪いにゃ悪い部分はある。
他にもあるようで、言われた側は打ちのめされ、翌日自分の所属現場で、「昨日はAさんからこれこれこういうこと言われた」と吹聴する。すると聞いた連中はまた行きたがらなくなる。
Aは他の現場から応援に来てくれてるという感謝の念が全くない。他から来たのが足手まといなら自分らだけでやればいいのに、他の支店から呼び寄せておいて、「こんなヒマな日に来て貰ってもさぁ・・・」
「そんなことを言うんじゃない。たまたまの結果論だろうが」(叱った時の私)
「・・・」(憮然とするA)
他から応援に来てる人はAの現場に慣れていない。Aだってどっか他の現場に行けば同じ立場になる。それがわからない。こっちの現場は忙しいから他から来て当然という態度。
憎まれ役を買って出てるんでもない。単にそのまま。他所の現場の子に排他的なんです。上から目線な物言い。

Aは美人なのに服装がラフ。
「そんなカッコで来るんじゃない」
「・・・」
朝起きて着替えずそのまんまのカッコにケーシーを纏ってくるまで来る。電車通勤と無縁とはいえ、ドアツードアどころか家の自室と現場がそのまま直結している。
「眉くらい描いて来いよ」
「・・・」
行儀が悪い。
いつも片足の足首をもう片方の膝に載せている。
「その足癖は何とかならんのか?」
「冷え症なんでぇ」
「・・・???」

ところかこういう子に限って私になついて来るんだな。前に私に向かって、「群馬が好きなら好きだって会社に言いなよっ」って吐いた辺りからだんだんタメ口に近くなってきた。
「○○さんは群馬に来るとホント楽しそうな表情だね」
「そう見えるか?」
「好きなんだ?」
「そりゃそうさ」
返した後で、俺はコイツのペースに巻き込まれているのに気付く。

先日、Aの現場の勝手口扉を開けたらAが私に背を向けて何か作業していた。クビだけこっちに動かして、
「何だ○○さんか・・・」
「何だとはなんだっ」
「・・・」
「悪かったな俺で・・・」[むかっ(怒り)]
さすがにAは一瞬だけ「しまった」という表情をしたがすぐ向こうを向いた。しばらくしたらブスッとした表情で振り返り、
「お茶でも飲みます?」
「うん。煎れてくれ」
「今度来る時は土産買って来てくださいよ」
買って来てもいいが、手ぶらで来るなと言わんばかりではないか。

入社した序列ではAが筆頭なんだが、そこのナンバー2が言う。
「〇〇さんはAさんに甘いです」
「そうか?」
〇〇さんとは私のことです。
「結局はAさんを許してるじゃないですか。会社はAさんの態度を注意しないんですか?注意しなくていいんですか?」
痛いところを突くなよ。
「こっちに住んでた頃らなともかく今の俺はそういう立場じゃない。常時こっちにいれば言えるが、今はたまにしか来ないんだから。こっちの〇長が注意すべきさ。」
「それはわかりますけど。〇長も注意しないんですよね」
「こっちに住んでる頃に言えばよかったんだがね。そこそこ関係ができたら(東京へ)帰されちゃったからなぁ。今の俺ん中では、たまにしか来ないんだからあまり事を荒立てたくないってのはあるよ。」
「でも周囲がキツいです」
「過去に注意したこともあるぞ。言ってもすぐ忘れるんだろうなああいう子は」
「彼女のせいで他のアタシたちまで悪いイメージになりません?」
「それはない。俺も〇〇(ジャン妻)もわかってるから」
ナンバー2は不満そうだった。
私は「男親ってのはなぁ、娘には甘いんだよ」って喉元まで出かかったんだけど、それを言ったら不満タラタラなナンバー2や他の子達が、「だったらアタシたちはなんなんですか」って傷つくから思い止まった。

東京の統括者、伊東甲子太郎(仮名)が私に言う。
「〇〇さん(私のこと)が可愛がってるAさんを他へ動かします」
遂にそういう処断に出るのか。だけど、俺が可愛がってるってぇ?
「そ、そんなつもりはないっ」[あせあせ(飛び散る汗)]
「違うんですか?でも彼女のせいで他の社員がそこの現場に行きたがらないっていうじゃないですか。それはマズイです。彼女を動かします」
「そうか。俺ができなかった分、存分にやってくれ」
大ナタを振うそうです。

処理済~爆睡中.jpg
Aがテーブルに突っ伏している。
「具合でも悪いのか?」
「頸を捻挫したんです」
「頸を捻挫ぁ?」
「寝違えたんです」
「痛み止めは?」
「胃が悪いんでぇ。飲んでませぇん」
「湿布はよ?」
「してますよ」と言ったが早いか、いきなり白衣の襟元を広げて首の湿布を見せやがった。白衣の下は下着で一瞬だったが胸元まで見えた。
この事件は現地のベテラン女性管理職が手を叩きながら大爆笑して、「ア~ッハハハ・・・。もう○○さんはおとーさんって見られてるんですよ。ア~ッハハハ・・・」
笑い過ぎだよ。
「アイツは俺だから胸元を見せたのか。見せても害無いってか?俺は安全パイかよっ」
「アナタが悪いったら悪い」(ジャン妻)
「何でさ?」
「変な構い方をするからだよ」
「・・・」
構う俺が悪いのか?
学園ドラマなんかで、教師役が優等生クラスより出来の悪い問題児を可愛がるってのが何となくわかったような気がするのです。
甘いな俺も。我ながら。。。
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この本を読んでください [人間ドラマ]

私が上州に赴任していて留守してた1年、行ったり来たりだった1年、計2年間に東京神奈川千葉埼玉では私の知らない新しい従業員がどんどん増殖していた。大げさな数字でなく数百人規模で増えていたのである。
その中のある若手リーダー(男性、仮にKとしておきます。)から、「○○さん(私のこと)さえご迷惑でなければ今度飲みに連れてって下さい」というお誘いがメールで来た。
でも私はその男性Kをよく知らない。何で俺なんかに声をかけてきたのだろう?
「Kさんはアナタに興味あるんでしょ。行って来たら?」(ジャン妻)
「飲みに連れてって下さいってのはハナっつから奢らせようとしてるよな」
「そうね。そのつもりで行ったら?」
「俺なんかに近づいたって出世しないぞ」
「そういう目的じゃないんじゃないの。でも近づいて損は無いと思ってるんじゃない?」

行ったのはこの店。
男性同士、同じ社内のサラリーマン同士だから小洒落てカジュアルな4号店よりこっちがいいかなと思ったの。
右暖簾の2人テーブル席で向かい合った。この時は話と料理にいそしんでたので写真は1枚も撮ってません。
大好きな店.jpg
連れてったKは「いい店ですねぇ、いい雰囲気ですねぇ、美味しいですねぇ」と感嘆しきり。特に鉄鍋の煮込み豆腐入りに感嘆してた。焼酎の種類が少なくないのも気に入ったみたい。
その時の長い長いレシートにはこんな印字がしてあった。
生ビール中×5
くじら刺身
鳥ねぎ×2
皮×2
ししとう×2
しいたけ×2
アスパラ
いわし揚げ
さがり×2
レバー×2
牛鉄鍋煮込み豆腐入り
ご飯もの他(これは裏メニューで、牛鉄鍋煮込み残りに玉子とご飯を混ぜたもの。)
焼きおにぎり
親子丼
鳥スープ×2
群馬泉山廃本醸造×6
これは私は飲んだの。以下は焼酎で、
萬膳
利八
赤江
計15990円
もちろん俺が支払ましたよ。串焼きはもちろん、刺身、牛鉄鍋、親子丼、鶏スープ、焼きおにぎり、この店の定番レギュラー逸品もの、ご飯ものであるものを平らげた。

次回に繋がる飲みではあったが、そこそこ飲んだ後でKが言うには
「言っていいスか?」
「何さ?」
「○○さん(私のこと)って・・・逃げてません?」
「逃げてる?」
Kの意図はこうです。私がある役職を蹴って辞任し、経営陣や執行部ラインから外れてもう何年にもなるのだが、私が蹴った後に就任した人が2名いて、そのうちの1人が近年になってから今私の目の前で飲んでるKと親しくなり、上昇志向のKは当時の経緯をいろいろ聞いたんだと。
「逃げたって・・・痛いところを突くね。でもまぁ逃げたんだろうな。さては彼から聞いたな?」
「聞きました。○○さんが蹴った翌日に自分が就任を決めたって」
「いっとき自分が蹴ったせいで彼に対しては申し訳ないって気持ちはあったけど、今はもう薄れたなぁ」
「何で蹴ったんですか?」
「会社側になりたくなかった・・・なれなかったんだよ。」
「もったいなくありません?」
「そういうのはなりたいヤツがなればいいの。俺はなりたくなかった。なってたら今の自分はいないし、○○(ジャン妻のこと)とも相談して決めたの。君はなりたいのか?」
「今はまだ(リーダーとして)駆け出しなんでよくわかりませんけど」
「上昇志向はいいこと。なれるチャンスがあればなればいい。なりたいって思ってもなれないヤツの方が多いからね。俺って蹴ったのによくクビにならなかったなって今でも思ってるし、その負い目もあってあまり会社を悪く言えないのよ。でも何で俺にそう言うんだ?」
「まだまだイケると思ったんで・・・」
「俺は終わってんのか?(笑)でも自分の人生だから。自分で決めたんだよ」
「・・・」

それと、Kから書籍を進呈されたの。
「○○さん(私のこと)、この本を読んでください」
「???」
渡された本のイメージ ↓
イメージ.jpg
実際に貰った書籍はこういう系統でもっとヘビィな書籍です。
(何だこれは?)
私は手に取って固まった。借りたんじゃないです。くれたの。彼が初めて飲んだ席上、こういう本を私にくれるってのは何の意図があるのだろうか?
「重てぇな」
「差し上げます。持って帰って読んでください」
ブ厚いハードカバーです。恥ずかしながら私はこのトシまでこういう実用書を読んだことない。後で1頁開いて目がクラクラしたよ。
重たいのをカバンに入れて持って帰ったんです。だけど腐っても私は年長者、いつかKに抜かれるかもだが今は未だ上役だぞ。目上にこういう本をススメるのは失礼じゃないだろうか?小説やマンガじゃあるまいし。
裏表紙、カバーを見たら3500円もしましたよ。

家にある最も大きいハードカバー本ってどれだ?これか?
家にあるハードカバー.jpg
これは本文中が上下段と二段に分かれていて、それでいて700頁もある重たい本です。
「木村政彦は何故、力道山を殺さなかったのか」・・・この書籍は最近になって文庫になったので私は悔しい思いをしてるんだが、こういう類のスキャンダル本のハードカバーは読んでも、教育実用書の類はこのトシまでついぞ読まなかった私なのに。
文庫本.jpg

帰りの電車ん中で。
「本が重てぇな」
「○○○さんと、○○さんにも渡しました」
「・・・???」
他にも被害者?がいるらしい。そのウチの1人、女性に聞いた。
「Kと最近になって初めて飲んだのよ。その席でこういう難しい本を貰ったんだが、もしかして君も貰ったクチ?」
「はいアタシも貰いました」
「読んだんか?」
「トンデもないっ。読んでませんよっ。活字自体がもう何年ぶりかですモン。1頁開いただけでアタマがクラクラして。○○さんあの本渡されたんですか?」
「そうなの。読むとなると結構苦痛だよ。その場で突っ返すのも野暮だから受け取ったけどさ。自分の不勉強棚に上げて言うけどこれって俺にアナタ勉強しなさいって言ってるようなもんだよな。失礼だよ」
「う~ん、目上の人に渡すのはそれはちょっと・・・どうなんでしょうか」
「このトシになったらもう自分の好きな本、読みたい本だけ読んで生きるさ」
それまでその女性社員とはそれほど親しくなかったのだが、被害者共通意識を持っていろいろ話すようになった。
重たいハードカバーのその本は未だに読んでいないです。
埃を被って部屋の隅に転がっています。
「アナタ、試されてるんじゃないの?」(ジャン妻)
「・・・」
「不足してるて思われてるんだよ」
「・・・」
「サラッとさわりぐらいは読んだら?」
「・・・」
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無題。。。 [人間ドラマ]

某日、ウチの社で全店の長や、本社スタッフを集めた合同懇親会が開催されることになった。
総勢80人近い。でも私とジャン妻は主催部署が違うし、開催日は船山温泉へ行く予定がもともと入ってたので遠慮することにした。
気がすすまなかったのもある。私の前に座ってる女性(仮にKとしておきます)が上層部から会場設定を託された。
Kは私から引き継いで上州の総務後任者に就任している。
私はKと長年ソリが合わない。Kも私に嫌われてるのがわかっている。イチイチ癇に障る女性なんです。でもお互い10年以上も同じ社にいるのでまぁギリギリ協力し合って許してはいる。

上層部がKに指示した会場費の条件がケチケチしたセコいものだった。それがこっちにもイチイチ耳に入ってくる。
Kが不仲の私にまでグチるには・・・
「会場費の予算が安過ぎるんです」
「幾らって言われたのさ?」
「3000円以上5000で立食のノミホにしろって言うんです」
東京でかい?そりゃ無理じゃないの?人数からしてホテルしかないだろ」
「そうなんです。でもその日って日曜でしかも大安なんですよ。地方から来る人もいるからそう遠くにできないし・・・」
上層部の偉い人がKに、「なるべく安くお願いします」ってアタマ下げるように値切る指示してたのは私も間近に見たが、まさか都内のホテル借り切るにしては安い予算だなと思った。

Kは相見積もり取りながらあっちこっちのホテル会場をあたってるが、なかなか決まらない。
苦労しているKを見かねて私は、
「5000円でノミホっていう条件はないんじゃないの?高崎じゃあるめぇし」
「ないですね。ホテル以外だと80人っていう人数は難しいです。5000円プラス1500円でノミホならあるんですけど。あちこち相見積もり取ってはいるんですが、早く抑えないと会場なくなっちゃうんで」
開催するけど経費削減か。だったら俺は出るの止~めよと思った。悪いモン。ジャン妻も同じ意見で、「遠慮しよ」って言ってた。
でもばらくしたら会社側から、「できれば他の本社スタッフも参加してください」というお誘い、お達しがあったのです。
出てもいいのかよ?私は目の前で、「なるべく安くお願いします」なんてやりとりしてるのを見てたので参加意欲ゼロだったんだけど、全社のリーダークラス全員に面通しできるいい機会ではある。
「出ようよ」(ジャン妻)
「船山はどーする?」
「1週間延期しない?Tさん(館主)に聞いてみたら?」
延期した。結果、延期して良かった。ガラガラだったからね船山は。

ところがそれですんなりいかないのが世の常というもの。こんなことがあった。
ある現場リーダーが都合で出席できなくなって、では現場のナンバー2を代理でお願いしますという通達がいった。
そしたら挙がって来た代理は何と昨年入社の新人さんだったのである。前述のKが名簿を見せながら私に呆れ口調で言うには、
「○○さん(私のこと)、これってどう思います?」
「コイツは新人だろ?他にいないのか?」
「来る人来る人みんなリーダークラスばっかりなので萎縮しちゃいますよ。せめて2番手を出さないと」
「2番手は・・・ああ、あいつだな。アイツも無理なのか?」
「みたいです。だったらいっそ欠席の方が・・・。右も知らない左も知らない人ばかりなのにこの子が来ても浮いちゃいますよ」
相手が新人なので差し止めし易かったのもある。「カオじゃねぇ」ってことです。そうは言わなかったけど、今回はご遠慮くださいということになった。

それは落着したが、次に変なウワサがジャン妻の耳に入って来たのである。
またまた某現場のTOPが欠席で、Kの部下が、「では副○長さん出席できませんか?」とナンバー2を呼ぼうと電話で話してたら何故かKが怒りだした。
「ちょっと余計なことしないでよっ、会社から経費削減するように言われてるんだからっ」
そしたらKは上司から、「その現場の副○長さんは是非参加して貰ってくださいっ。勝手に断らないでくださいっ」って叱られた。Kは部下を叱り、Kは上から叱られたワケ。
これは理由があって、その副○長さんて方は新しく起ち上げる現場のヘッドに抜擢されるのが内定しており、会社もその方に気を遣ったそうである。会社は利用価値がある者しか飲みに誘わないという明白な事例である。
だが俺らは白けた。叱り叱られたKが口走った経費削減ってのがね。だったら俺らなんか呼ばなきゃいいのにさ。さては察するに人数が増え過ぎて予算超過してアワ喰ったんだろうな。
このネタを私はジャン妻から聞いた。俺も出る気が失せたよ。でも船山は延期しちゃったし、今更このイベントを辞退する理由がないのだ。シブシブ出るしかない。
「オモシロくないよね」
「・・・」
「ああいうのを聞いちゃったらね」
「・・・」
ジャン妻も聞いてこなきゃいいのにさ。そういう言わずもがなのネタをジャン妻の耳に入れたヤツもどうかと思う。
私もオモシろくないが、たかが参加数割合が1人/80人の我々である。嫌な感情を引き摺ったまま参加するのも嫌なので、とうとう私は開催日当日に社長に直談判したんです。
「社長っ、私らなんかも出ていいんですか?」
「???」
社長は最初、何を言いだしたかと思ったらしい。
「参加人数が増え過ぎてこれからは経費削減って噂を聞きました。ホント俺らなんかが出てもいいんですか?」
社長は泡喰ってた。
「な、な、な、何を言ってるんですか○○さん(私のこと)!!本社スタッフはできるだけ出席してくださいって言ったのは私ですよっ!!」
「ハイ確かに最初そういうお声はかかりました。でも後からそういう情報が、無理に誘わない方がという空気が流れているんです」
「そ、そんなことはないです是非出てくださいっ。だって群馬からも何人か来るんですよっ。その方たちを○○・・・」
・・・何て言われたか忘れた。東京の人達に引き合わせてくださいだったかな?
もちろん俺らだって参加するからにはホスト役なのは理解している。ジャン妻に、
「社長に話した。出てくれって言われた」
「また何を言ったのっ!!」
説明した。
「そんなことを言ったのっ!!」
「だってスッキリして参加したいジャンか・・・」
ジャン妻は「この度し難き亭主」と言わんばかりのカオをしてた。お前が知らんでいいネタを仕入れて、自分で仕入れたネタのせいで不貞腐ってどーする。
でもすっきりした。言ってよかったです。私とジャン妻は社長を先導しながら会場、某ホテルまで案内した。

会が始まった。ドヤドヤっと進行していく。
お料理はノーコメント。でも2時間立食はキツいね。
料理1.jpg
料理2.jpg
料理3.jpg
あっちこっちでホスト、会話を交わしながら歩き回ってたら声がかかった。
「久しぶり。。。」
「???」
このBlogに度々登場したZという女史。
昨年の秋、ある些細な事で私は本気でこの女性に怒り、アッタマに来たので今日まで半年間接点を持たずに知らん顔して口を利かなかった。
社では、「あんなに仲いいのにどーしたの?」って言われたが、「仲いいって?過去形だよもう。アイツとはもう終わった」
何が終わったんだろうね。誤解を招かないようにお願いしますね。可愛いさ余ってじゃないが、あからさまに「あんなオンナ知るか」と言い捨て、「アイツのネタをこっちに廻すなよ」状態で半年経ったんです。
でも今回、何事もなかったように俺の傍らに来て、
「○○さん(ジャン妻のこと)とも久しぶりに会ったけど。キレイになったわねぇ。皆、言ってるわよ。イロっぽくなったって・・・」
「イロっぽくなったぁ?何かの間違いではないの?たまに会うとそういう風に見えるのかな?」
「そんなことないわよ。○○さんも○○○さんも言ってるモン」
「・・・???」
この後、以前のようにいろいろ相談された。向こうは私が何故、怒ったか解ってないようで。しゃーない。和解というわけではないが、水に流すしかないじゃないか。

ジャン妻は日頃は女史とソリが合わないクセに、「○○さん(女史)にキレイになったって言われたの~」と嬉々としていたが、その上機嫌を一気に墜とす場面が最後の最後に起きたのである。
散々予算をケチった上役が壇上に立ってマイクを持ち、本社スタッフをひとりひとり紹介したんだが、私はジャン妻とセットで呼ばれた。
壇上に立った私は照れと気恥ずかしさで眉間に縦シワが立ち、口元が歪み、酷いツラになってしまった。そしたら上役が、
「〇〇さん(私のこと)はこんなシブい顔してますが実は外見と違ってシャイで凄く優しい方なんです。奥さんの方がコワいです」
奥さんの説明=コワい、これだけで終わっちゃったんです。
帰りの電車の中で、
「ヒドいっ!!」
「・・・」
「何あの紹介!!」
「・・・」
「ヒドいと思わない?」
「・・・」
確かにあれだけの人の前で配慮が足りないが、言ってることは半ば事実だろーがよ。コワがられてるのはお前自身の問題じゃないかよ。
でもその場で言い返すわけにもいかず。どうもジャン妻はこういうヘンな怒りを家に持ち帰る傾向にあるようで。。。
「飲みが足りない!!」
「・・・」
仕方がない。こっちもバイキング2皿か3皿程度で小腹が空いたので、地元まで帰ってビール2本とラーメンをおごりました。
今でもジャン妻はこの夜のことを根に持ってるのだ。
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お肉大好き [人間ドラマ]

今は管理部門なので現場に出ることはなくなった私ですが、上州に転勤する前、私が週1日勤務していた現場支店の仲間からお誘いがあった。
「彼女合格しましたよ」
「合格した?」
「合格したら焼肉おごって貰えるってお話でしたよねぇ」
「・・・」
シマッタそうだった。上州にいた頃、その女性がある国家資格に合格したら、戻ってから焼肉をおごる口約束だったのです。忘れてた。
合格した女性を仮にSさんとしておきます。彼女は呟きⅠで登場していて、現場の夜食で寿司の出前を取った時、私はSさんがオーダーした山葵抜きの寿司を喰ってしまい大ヒンシュクをかったことがある。
T子というお肉が大好き、野菜は殆ど食べない女性に言われた。
「あ~あ、食べちゃった」
「・・・」
「Sさんのワサビ抜き食べちゃた」
「・・・」
「言われるよ」
「・・・」
「この先ずっと言われるよ」
「・・・」
「年内言われるよ」
「・・・」
チクチク言いやがってからに。T子はお肉が大好きなので今回の焼肉会に来るかもしれない。誘われた電話では、「皆で行きましょうよ」というノリだったが、皆で??何人来るんだろう。
その現場は大型店なのでちょっとした派閥というかグループに分かれている。最低でもそのグループは3人、プラス、スポンサーの私で4人、もしかしてT子が加わって5人か。
う~ん、約束は約束だし、まぁ5人くらいなら何とかなるか。行くことにした。

当日、現場の閉店時間過ぎに行った。奥の控室に電気が点いていて、その合格した女性ともう3人プラス、案の定、T子がいやがる。
T子はニコニコしながらチラシを見ていた。
「何を見てるんだ?」
「スーパーのチラシだよ。今日はいいお肉が安い日なの。今日誘われなかったらお肉買って帰ったんだけどな~」(T子)
「これから焼肉を喰いに行くんだぞ」
「買って行けばいいじゃん」(Sさん)
「これから焼肉喰いに行くのにスーパーの肉を買って行くヤツがあっかよっ」
「そ、それもそうですね」(Sさん)
「その場で焼いたりしてね」(T子)
「・・・」
私はこの時、無意識にネクタイを外してテーブル上に置いた。それが後でちょっとした騒ぎになった。
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行った店の名前は忘れた。私以外の4人はメニューを見て垂涎状態である。
主役は合格したSさんなので、「合格オメデトウ」の乾杯の後、「肉は何にする?」
ところがコイツら俺に「おごって貰おうよ」と言ってたクセに、いざこの場に着いたら案外と遠慮しがちでなかなか決まらない。
イラッとした私は店員さんに、「じゃぁ特上カルビと特上ロースを人数分」
「と、特上!!」
「いいんですか?」
「肉なんてのは高い方が美味いんだ」
この作戦は当たった。高い肉がズラーっと並び、「見てるだけでお腹いっぱいになっちゃったよぉ」になってしまい、最初の大皿一皿を一気呵成に焼いて食わせたら全員が早く満腹になってしまった。結果、案外と高くつかなかったのである。
ざぶとんっていう部位の肉を初めて喰いました。これは美味かったね。肩ロースの芯の部分で一頭から約3Kg~4Kgしかとれない貴重な部位だそうです。霜降りの部位ですね。柔らかくて舌上でトロケてしまった。
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ふと見たら、T子が野菜サラダを喰っている。
私は目を疑った。T子は肉しか喰わない。焼肉弁当でもハンバーグでも野菜の付け合せは残す。ニラレバとか、チンジャオロースとか、肉と絡まった僅かの野菜は仕方なく口に入れるが、野菜だけの料理はまず喰わない。
「珍しい・・・」
「ホントどーしたの?サラダなんか食べて」(Sさん)
「アタシ、野菜食べるようになったんだよ」(T子)
T子は20台後半で入社、私が面接、外見だけで判断して採用したのだがその彼女も30台後半に近づいた。肉ばっかり喰ってたら健康診断の数値にヤバいのがあるらしい。
「○○さん(私のこと)は数値、大丈夫なの?」
「中性脂肪が150と300の間を行ったり来たりしてる。今んトコ、薬の必要はないよ。さてはヤバイんだろ?」
「へへへぇ(笑)」(T子)
笑ってごまかすんじゃない。
「野菜もちゃんと食べなきゃダメよ」(Sさん)
「まぁね」(T子)
「ファミレスでも野菜食べるのか?」
「前よりはね」(T子)
「前に店員さんに顔を覚えられたって言ってたよな」
T子は肉しか喰わないのでグループで食事に行かない。誰かと食事に行くと自分の食べたいものが制約されかねないからである。自分は自分が好きなものを食べる、他人に合せるのが嫌、そういうワガママなポリシーを維持した女性なの。だからいつも昼はひとり。
ひとりファミレスでバーグばかり喰っていたら店員さんに顔を覚えられ、珍しくパスタなんぞを喰って残したら、「お口に合わなかったでしょうか?」店員がアタマを下げたそうです。
「よくそんな話を覚えてますね。店員さんがトンで来たのは大分前だよ。この間、Uちゃんとそのファミレス行ったら、あら今日は珍しくお二人さまですね、ではテーブル席でごゆっくりどーぞって言われてさ。Uちゃんに、いつもカウンターでひとりで食べてるんですか?って聞かれて説明するハメになったよ。だから誰かと食事に行くのってめんどくさいんだよ」
ブツクサ言い出した。
誰かと食事に行くのがめんどくさいって?
って言いながら俺らに混じって焼肉を喰らっているじゃぁないかい。
処理済~お肉を前にご満悦.jpg処理済~野菜サラダを喰う.jpg
「雪子さん元気なの?」
上州にも出張した雪子はこのグループ、現場の出身で、今は本社中枢にいるが重圧に潰れかかっている。
雪子が抜けてT君(肉子)はひとり取り残されたが、後から入って来た自信満々で生意気な後輩の鼻をへし折ってしまった。今は自分の配下にしている。
その鼻をへし折られた新人の他にも、T子より若い世代が続々入って来ているが、
「仕事を長く続ける秘訣がわかったよ」(T子)
「それは何?」(Sさん)
「イマドキの若い子と会話しないことだよ」(T子)
「・・・」
若い子はT子のことをどう思っているのだろう。T子(肉子)はあと2~3年で四十路になる。でも小柄で小顔な美人なので20台後半か30台前半にしかみえない。美人なんです。肉ばっかり喰ってるからだろうか。
今は小さいお局様の座に君臨している。

会がお開きになって数日後にT子からメールが来た。「この間はごちそう様」の挨拶もそこそこに、
「ネクタイ忘れたでしょっ?」
「ネクタイぃ???」
言われて気づいた。もっともお気に入りのガラのネクタイがない。先日も社長に「まだクールビズになってないんだからネクタイしてくださいっ」と注意を受けたばかりである。
「そういえばなかったな。そっちに忘れてったか?」
「気づかないの?何でここでわ・ざ・わ・ざ・外したのさ?」
「ネクタイに焼肉のタレやニオイが付くのがイヤだったんだろうな」
[わーい(嬉しい顔)]そ、そーなんだ。でも無くて困らないの?」
「それだけしてるわけじゃない。ネクタイなんて50本くらいあるから」
これは事実です。殆ど全部ジャン妻の親父さんに貰ったもの。
「よく俺のだってわかったな」
「控室に置いてあったからさ。このガラ悪いネクタイ誰んだろう?って騒ぎになったんだよっ。ウチの店にこんなガラのネクタイする人いないし、これって絶対〇〇さん(私のこと)のだよってなったんだモン。こういうガラが趣味なの?」
「ガラなんか何だっていいじゃねぇかよ。でもネクタイなんか幾つ持ってたって、結局は自分の好きなの数本しかしないんだよな。しないネクタイの方が多いしさ」
「レターパックで送るよ」
「うん」
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賄賂の意味は。。。 [人間ドラマ]

上州でいちばんトロい社員の女の子から電話が架かってきた。
「あのぉ~、あのぉ~」
「なんだい?」
「結婚するんですけどぉ、会社にどういう届出を出せばいいんですかぁ?」
「結婚?いつよ?」
「3月○○日です」
「相手は前と同じヤツか?」
「同じですっ」
この子は私らが上州に住んでた頃から、いずれ結婚する、相手がいる、親に会った、正月に挨拶に来た、こっちが聞いてもいないのにペラペラ喋くってた。
結婚するするって言いながら伸ばし伸ばしになっていたので、「さっさとすればいい。するするって言いながら伸び伸びになってるのはホントは相手がいないんじゃねぇのか。妄想か?フカシだろ」毒舌をば吐いてた私。。。
「急に決まったんですっ」
「急に?もしかして授かり婚か?」
「授かり婚じゃないですっ」
電話の向こうで皆が爆笑してるのがわかった。
「世間ではそういうのがブームだからサラッと聞いただけだ。俺は全員に聞くようにしている」
「全員に聞いてるんですか?」
「そうだよ。それでいつも怒られる。さては消費増税前の駆け込み婚だな」
「まぁ、それもあるんですけどぉ・・・」
私は電話冒頭、「結婚する時ってどういう届出を出せばいいんですかぁ?」の質問にまだ答えていない。オモシロがって話を変な方向に脱線させ、周囲に聞こえるように引っ張っているだけ。

喉元に「お前が結婚かよ?」って声が出かかりました。
その子は見てると仕事が遅く、複数の仕事が進行できないのです。一つの作業が終わってから次の作業に移る超スローマイペース。。。
私も叱りつけたことがあります。「遅いっ!!いつまでその作業してるんだっ!!」ってね。多分、主婦業をしてても、ご飯が炊けてから魚を焼いて、魚が焼きあがってから味噌汁を作って、最終的にはどれも冷めちゃうだろうな。
その子の支店リーダーが私に対して、その子を持ち上げようとして落っことしたことがあります。
「あの子、最近、ダイエットに努力してるんですよ」
「それがどーした。そんなのに努力してるヒマあったら仕事を覚えろって言っとけ」
「あぁぁぁスミマセン、言っておきます」

こっちに戻る前、ジャン妻はその子と倉庫の片付けをしてたことがある。
「誰か手ぇ貸してよ」と申し入れしたら、「どーぞどーぞこの子持ってってください」と言われたの。戦力外なのかも。その時に気付いたこの子の特技は・・・掃除かなぁ。
掃除とかゴミ捨てとか、段ボールの片付けかな。そういうの得意みたい。マメにするだろうな。でもそれって勤務中は朝か夕方の作業に限られます。営業時間内だとチョロチョロ小子犬みたいに無駄な動きをしていて、ヒマな時は天然で周囲を笑わせてるが、あまり空気の読めない子なので多忙な時はイラっとさせられる。
ミスも少なくない。ジャン妻も、「またあの子から間違った帳票が来てるよ」
眉をしかめながら苦々しげに言う。

基礎的なルーチンワークで進歩の見られない子なので環境を変えるしかないと判断。思い切って異動させました。そこでは初めての人間関係なので、もともといた社員から地球外生命体のような異分子に見られたりイジメに遭わないよう、ナメられたりしないよう、私は時折そこの店長、先輩格を通して、「アイツはいるかい?」って用事、連絡を入れるようにしています。直接ではなく間接的にね。
すると、さもその子のバックに私がいるように見えて、そうそう粗略にされないだろうと思ったのだ。幸い、何とか上手くやってるみたいです。

電話の場面に戻します。
こういう子を嫁に貰うキトクな男性、物好きもいるもんだなと心中で悪態つきながらも本人には言わない私です。
「転居するんか?」
「しますします」
「身上異動届を出してくれ」
「シンジョウ・・・何ですかそれ?」
「後で書式を送る。住所が変わるんなら通勤費を計算しなおさなきゃなんないし、届出を出すことで結婚するってのが会社に伝わる。俺が祝い金の申請をするから」
お祝い金が出るんですかぁ?」
「いらねーのか?」
「いっ、いりますいります」
「いらねーんだな」
「いりますくださいくださいっ。いつまでに出せばいいですかっ?」
「いつって・・・式当日までかな。いつだっけか?○○日?」
「そうです」
「もう1ヶ月ないじゃないか。キャンセル料高いぞ」
「しませんっ!!」
披露宴写真見せてくれ」
「いいですよ~」
「見たら笑いトバシてやる。チンドン屋か浅草の大道芸人か吉原の花魁みてぇだってな」
「なっ・・・写真見たらトキめかないでくださいね」
言うなぁ。
いつの間にか私もその子のペースに巻き込まれている。
ご祝儀(イメージ).jpg
お祝い金は直接本人に渡しました。袋は既製品だからちゃんとご祝儀って書いてあるんです。
そしたらその子、受け取った時にニコニコしながら、
「これってワイロですね」
「ワイロぉ?」
私は耳を疑った。
賄賂ってのは例えて言うと、業者が公共事業を入札する時や、何がしかの便宜を図って貰う為に贈る不正な贈答品、金銭でしょうよ。
今の時代にはそぐわないが、社内で賄賂だったら部下が上役におもねって出世の糸口を掴もうとするか、情実を絡ませて贈るこれまた贈ってはいけないモノ。
贈賄収賄とも不正、犯罪のニオイがするので、そうでなくても賄賂っていう言葉自体を軽々に使うべきでない。
日本語使い方が間違っとる。俺がこの子に賄賂を贈って何の便宜を図って貰う必要があるんだっつーの。
「お前なぁ!!!賄賂ってのはなぁ!!!」
簡単に説明した後で、
「何で俺がお前に賄賂送んなきゃなんないんだっ!!」
「いや、あの、その・・・ゴメンナサイ」
無事、挙式しました。祝電だけ送った。「ちゃんと料理せいよ」って。
お礼のメールが来て、メールの最後に本人の名前といつも同じ動物の絵文字が入ってるので聞いたら、本人の干支なんだと。この子、私と二回り違う同じ干支なのがわかった。
「同じ干支なんですね。だから私と〇〇さん(私のこと)は気が合うんですよっ」[わーい(嬉しい顔)]
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震災グッズ [人間ドラマ]

私は既に上州の担当から外れています。では最後の定期出張ネタと、それ以外の眠っていたネタをランダムにUPしてみます。

これは最後の定期出張時のもの。
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高崎駅のMAX.jpg
高崎駅.jpg
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T駅西口に降りたらビブレの隣、音楽祭スタージが設置されたり、年末にイルミネーションで煌びやかだった空きスペースに工事重機が入っていた。何か掘り起こしている。
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この辺りは大手流通会社イオンの子会社、イオンモールの進出が決まっている。ビブレは来年3月に解体され、9階建の商業ビルが建つ予定。その工事がもう始まったのかと覗いてみたら、工事現場ではなく何かの発掘現場の風景であった。
工事のアンちゃんに、「何か出てきたんですか?」
「昔の田んぼだそうですよ」
「田んぼ?」
な~んだと思った。刀剣か鏃でも出て来たのかと思ったのに。では昔の田んぼとは何か?
出て来たのは平安時代の田んぼです。それが浅間山の噴火で埋まっていたのが表に出て来たという。平安時代というとおそらく天仁元年(1108年)の大噴火で埋まった田んぼの跡。
この時の噴出物総数は〇〇億トンと推定され、上野一帯に火山灰が降り積もり田畑は壊滅した。
当然、復興の為に開発するのだが、その田畑は豪族が私有地かし、平安の荘園制度へ繋がった。

発掘している一帯は平面に溝があった。水を流したのだろうか。
発掘中2.jpg
掘り上げた土は浅間山の火山灰を含んでいたに違いない。
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バス車内.jpg
私はその発掘現場を横目に見た後、本数少ないバスに乗ってヒマな考え事をしてた。
浅間山か。
遠望するだけでついぞ足を向けなかったが、浅間山は現在でも活火山の筈。
浅間山.jpg
上州は地震は少ないし、海に面してないから津波はない。先日の慣れない大雪には参ったが災害指定にはならなかった。では起こりうる災害というと浅間山噴火だろうか。
2012年に赴任した際、前年度の震災の経験から非常食や寝袋、懐中電灯といった災害グッズが全部の現場に配布された。
首都圏、東京神奈川千葉の間隔で配布されたのだが、ここ上州のスタッフは、「そんなの配られても・・・」困惑と難色を示したのである。
長くいる女性社員に訊いてみた。「何で要らないのさ」って。
「置く場所ないですよぉ」
「そういう問題ではないっ」
「だってぇ、くるま通勤だしぃ、通勤に電車使わないしぃ、首都圏ならわかりますけどぉ・・・」
「・・・???」
「どうしたって必ず家に帰りますよ」
「水道は?」
「井戸とかありますよ」
それはまだしも、「川や沢がたくさんありますから」と言って来たヤツもいた。家の敷地内に小川が流れてるそうなんだな。長閑だねぇ。

何かあったら避難する場所も指定しないといけない。主に学校です。
「何処へ避難するのさ?」
「緊急避難場所ですか?ウチの隣の畑じゃダメですか?」
畑なら何も崩れ落ちてこないと言うんだな。

「道路が崩れたらどーする?橋が落ちたら?」
「全部の道路が不通になるって考えられないです。何処かしら橋や峠は繋がってるし・・・」
「食料はよ?」
「裏の畑から何かとってくれば・・・」と言ったのは農家の出の人。ただ、家に食料ありますという社員が殆どだった。やはり土地が広く、畑や農家に隣接していて、自給自足までいかないが蓄えはあるんだと。
ややイラついてきた私は、「じゃぁ浅間山が噴火したらどーすんだよっ」
「浅間山ぁ?それっていつ噴火するんですか。ぶふふっ(笑)」
いついつ噴火しますって予告するもんでもなかろうけど、私のことを、東京から来た人はこれだからなぁと思ったフシがある。
どうも私の社の人間は危機感覚が希薄でしてね。

リッツ大缶.jpg私らも昨年の春、3月末だからちょうど昨年の先週ですね。(月日の経つのは早いものですね。)上州から引き上げる際に事務所にあった震災グッズの処理に困った。
グッズの中にはレトルトカレーや缶入りビスケットがあって、私の大好きなリッツの大缶があった。バカな私は止せばいいのに本部の女の子に問い合わせた。
「喰っちゃっていいか?」
「ダメですぅ」
「何でさ。もったいないじゃんか捨てるの。リッツにチーズ載っけて喰うの美味いぜ。ブランデーのつまみに・・・」
「ダメですっ!!」
キツい呆れた口調で言われので結局は新規で開いた現場に送った。

その時から1年経った前回出張時、Aという女性リーダーから相談があった。
「震災グッズの賞味期限が・・・」
「賞味期限?切れたら捨てろよ」
「ええっ、もったいないですよっ」
「もったいないかね。で、いつ切れる?」
「カレーとか来年切れます」
「でも昨年俺らが東京に引き上げる時に喰っちゃっていいですか?って本部に問い合わせたら喰っちゃダメだって言われたよ」
Aは、そんな子供みたいなこと聞いたんですか?という表情だったが、その傍らでTという大柄女性(空き缶プレスお嬢様)が満面の笑みでニコニコしながら太い長い両腕を前後に振ってブリっ子している。
Tは、「賞味期限切れる前に食べてちゃってもいかな~、いいいですよね~」という意志表示をしていて、私に「食べていいよ」の返事を期待しているんですよ。
AはTをチラチラ見ている。どうもAは自分の意志ではなく、後輩Tに「言ってください」って押し付けられたように感じた。
一旦は却下した私。
「ダメだよ喰っちゃ。お前喰いたいんだろ」
「食べたいですっ」
でも食べなくてとっておいても期限はやってくるので、「切れるまで喰っちゃダメだよ」と言ってしまった。それは切れたら喰っていいよと言ったに等しい。
「じゃぁ切れたらすぐ食べていいですかっ?」
切れてもすぐ喰えくなるわけじゃないが、私も立場上、公然と、「喰っていいよ」とは言えない。おそらく廃棄処理をしてから各人に分け与えることになるでしょう。

一応はジャン妻に確認した。あれって喰っていいのか?
「いいんじゃない食べても」と言うのである。
「だって前に俺、リッツの大缶、喰っちゃダメだって言われたよ」
「あれは期限内だからでしょうよ」(ジャン妻)
「??」
「商品価値があるのに食べていいわけないでしょうよ」(ジャン妻)
では賞味期限が切れる来年まで待ちましょう。
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はなむけ [人間ドラマ]

私は上州担当から正式に外れました。(外されました。涙)
まだ残務整理が若干残ってるのと、ある特定の分野だけ単発で関わることになりますが、大きい部分は別の者に引き渡したんです。もう定期的に行くことはありません。

ひとりのヤンキーっぽい女性社員が私に言うには、
「○○さんっ!!」
(○○とは私のことです)
「うん?」
「会社に群馬が好きだって言いなよ。そしたらまた群馬の担当にして貰えるよ」
「えっ??」
「好きなんでしょ?」
「そりゃそうさ」
「言えばいいじゃん」
「う~ん・・・それを言ったところで・・・昨年春に東京へ引き上げた時それに近いことは言ったんだがなぁ・・・」
「好きだって言ったら群馬を担当させてくれるんじゃないの?会社ってそういうもんじゃないの?」
「いやぁ、会社ってそういうもんじゃないよ・・・組織で決めるし・・・」
「あたしイヤだよ。知らない人が担当になるのイヤだよ。」
「俺たちだって最初は知らないモン同士だったんだからさ」
「そ、そうだけど。○○さんの次の担当ってどんな人?怖い人?怖い人だったらどうしよう???」
「大丈夫だよ。怖かないさ。まだ次の担当者と関わってもいないのに何を妄想してるか?」
処理済~作業中のヤンキー娘.jpg
バカ言ってんな~この子。
でも・・・
「会社に群馬が好きだって言いなよ。そしたらまた群馬の担当にして貰えるよ」
それは無理だよ。でも無理なだけ胸中グッときました。
これって私にとっては最高の餞(ハナムケ)です。
報われました。
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プレスお嬢さま [人間ドラマ]

凄い雪の塊です。
歩道に積み上げた塊の隙間を歩いて市役所に出向いたら私の担当官が不在で、受付に出てきたオバちゃんが、
「今、雪かきに出ております」
出直したら?とまでは言わないが、気の利かない応対であった。
だがこっちも子供の使いでない。時計を見たらもう17時前なので、わざと大声で「ここで待ってたらもうすぐ戻られますよねぇ」
「ええっと・・・」
傍らから若い女性職員が呼びに行ってくれた。
残雪の塊1.jpg
雪かきで濡れたカッコして戻って来た担当官と事前相談&届出提出を済ませて役所を出たのが17時過ぎでした。外へ出たらまだ若い職員さんが総出で雪かきしてましたね。
横断歩道前にスコップ持った職員さんが10人くらいいて信号が青に変わった瞬間、いっせいに反対側の歩道へ向けてスコップをシャーッと押し当てながら前進していた。
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市内の有料駐車場は雪の塊が積みあがった分だけ駐車台数が少なくなっていました。
こういう民有地まではすぐには手が回らなかったみたい。この人、無事に脱出できたのかな。
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雪を両脇に除けてかろうじて1車線分を確保した感じですね。
雪解け水は夜間から明け方にかけて凍結します。
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一旦、ドーミインに旅装を解いて、私は会議場に向かいます。
その会議、今回は役職者だけではなく、一般社員の研修も兼ねている。
研修に参加するある女性社員(若い子)が私に難癖をつけてきたというお話です。

その子はダイヤの原石。今はちょっとイモっぽいがいずれキレイになるでしょう。
ただ、握力が強いらしく手の掌が大きい。肩幅も広くて腕力も強い。私よりも強い。
最近、衝撃的なシーンにでくわした。

まだ私が上州に住んでいた時、現地の支店で産廃業者に廃品を回収して貰うことになり、業者さんが、「できれば一か所に集めていただけますか?」と言うので、私ひとりで壊れかけた椅子やテーブル、事務机や古びたディスクトップタイプのパソコン、保管期限の切れた帳票類(これが重い)を倉庫から運び出していたらその子が寄ってきて、
「アタシが手伝ってあげますっ」
私は一瞬、躊躇した。
廃品は重いものばかりです。女の子だから大丈夫かなと危惧したのである。
「怪我されっとマズいから」と固辞したのだが「手伝います」と言う。周囲からも手伝って来いって言われたんだと。
「助かるけど・・・(君が抜けて)・・・店は廻るのか?」
「大丈夫ですっ」
「じゃぁ軽いもの頼むワ」
ところが軽いものどころか長いスパン、長い指を駆使し、クレーン車のように軽々運んでケロッとしてた。
1人で運ぶより2人で運ぶ方がそりゃ早く終わるのでその時は助かった。

この時は命令してもいないのに何でそこまで手伝ってくれる気になったのだろうか。どうも私のシンパらしいのがわかったのが今年になってからのことでして。。。(汗)
過去に自分がその子に何かしてあげたか考えたんだが、一度、「辞めたい」、「辞めるなバカ」、みたいな遣り取りはあった。その時は強引に異動させた。環境を変えさせたの。その時、「今回は助けるけど二度はないぞ。異動先で居場所つくれ」って釘を刺した覚えがある。
その後は幸いにも居場所はできたらしいのでそれきり忘れた。それまではデカい図体を持て余していたようだが活き活き動くようになった。

地味な子なのでこっちもあまり気に留めなかったのだが、お互い慣れて来たので図に乗った私は毒舌を吐くようになった。例えば、よく喰う子なので飲み会なんかで、「残り飯は全部お前が食え」とかヒデぇこと言ってましたね私。
元旦に年賀状が来たので返信に、「いつも着てる○○模様の服は止めろ」みたいに書いたらさすがに傷ついたらしく、女性リーダーから、「彼女は乙女なのでもっと優しくしてあげてください」と言われた。

タイトルの逸話ですが。。。
その子は私に難癖をつけてきたんです。それも他の社員数名がいる前で堂々と。。。
「今日の会議は終了が21時ですよねっ、そんな夜遅くなるのに何で晩ご飯が出ないんですかぁっ、お腹空くじゃないですかぁっ」
子供か。
何を言ってやがる。
力があってガタイがいいだけによく喰うんです。それは周囲も周知の事実。この子供じみた難癖に私は苦笑した。
「21時なんてのは都会だったら夜遅いウチに入らん。」
「ここは都会じゃないですっ」
「そんなこたぁわかってら」
その子は箕郷町のもっと山の方に住んでいるので遅くなるのは気の毒だがそうそう毎回あるこっちゃない。そこに住んでる以上は会議だろうと夜遊びだろうと同じことじゃないか。今日1日くらい我慢できんのか。

「晩飯なんか出ねぇよ。会議終わって家に帰って喰えばいいじゃんかよ」
「もうお腹空いたんですっ」
「今?もう腹が減ったってか?それは俺のせいでも会議のせいでもないぞっ。(時計を見たら)まだ4時じゃねぇかよっ。昼は抜いたのか?」
「食べましたっ」
「さては寝坊して朝を抜いたな?」
「食べましたよっ、三食きちんと食べてますっ、でなきゃ持たないですっ」
「だったら三度の飯の量を増やすしかないだろうがよ。」
この子はたくさん食べる子で弁当もひときわデカい。でもおまえさんの胃袋の大きさや喰らう飯の量まで俺の知ったことじゃないよ。
「いいですっ、家に帰るまでに買い食いするからっ、でも買い食いし過ぎでお金が無くなってきたんですっ」
家に帰るまでに買い食いするとな?
買い食いってのは高校生の男言葉でしょうよ。さてはこの子、男兄弟がいるな。まぁそれはいい。私は最初絶句したが、毒舌が止まらなくなった。
「買い食いったって・・・家に帰りゃ晩飯あんだろーがよ。晩飯前に買い食いなんて高校生じゃあるまいしさ。(周囲に向かって)聞いたかおい?買い食いだってよ。さては大雪の後でコンビニやスーパーに食い物の在庫がないのは大雪のせいじゃなくてお前が買いだめしてるからだろ」
「買い食いならしてますが買いだめなんてしてませんっ、コンビニに行ってもまだパンとかないんで悲しくなるけど家に食べるものぐらいありますっ」
「会議開催前に何でもいいから腹に入れなさいよ。控室にある菓子でも食ったらどーだ」
そこまで言って何とか話題を変えようとした私はふとあることに気が付いた。

その子、手に500mlのロング缶を握っている。

私は見て固まった。500ml缶が小さく見えるんです。手が大きいからです。私との口論?の合間に興奮して喉が渇くのかグビグビグビって飲み干してる。
「缶酎ハイでも飲んでるのか?」
「まさかっ、缶酎ハイなんか飲んでませんよっ、炭酸ですっ」
昔で言う三ツ矢サイダーかスプライトのようなドリンクだったが残りを一気に飲み干した次の瞬間、メリメリメリッという異様な音が響き渡った。その子は飲み干した500mlロング空き缶を両手で雑巾絞るようにねじり潰したのである。それも目にも止まらぬ速さで一瞬のウチに。
更にひねり潰した空き缶を上下にパンっ!!ひと叩きしてペチャンコに潰した。空き缶の上下ですよ。
それまで言いたい放題だった私や私と彼女との遣り取りを笑って見てた周囲は凍り付いた。空き缶はアルミに割け目があってそこから残りがポタポタ洩れているじゃないか。
「アブないっ。止めなさい女の子がっ。指を切って怪我したらどーすんのっ」パートのママさんから叱責が飛んだが本人は意に介さず、「大丈夫ですっ」ケロッとした表情。
そのタイミングで私はその場を逃げるように立ち去ったが、500mlの空き缶をひねり潰したバカ力は、私との会話が原因なのだろうか。500mlの空き缶イコール私だったのかもしれない。

後日聞いたら、前からそういう荒技?蛮行をしてたという。私も「怪我するからそういうことは止めろ、他でもやるな」と注意したが、「ストレス解消にいいですよ」とか何とか言ってやがった。

↓これはイメージ。
空き缶プレス(イメージ).jpg
機械じゃないのでここまでキレイに潰してなかったが、万力のようなパワーだった。

それ以来、その子にプレス嬢というニックネームが進呈された。
付けたのは私じゃないです。Aというリーダーです。(聖なる酔っ払いオンナで過去に登場)。握力が強いらしいのはわかったので、私はアイアンクロー娘と名付けかけたのだが、平成生まれの子がフリッツ・フォン・エリックなんて知るわけなかろうし。
後でAからメールが来て、
「あの子、今日もメキメキメキッてやってましたよ。潰した後で○○さん(私のこと)のアタマをプレスしてやるって言ってます。次回来た時は気を付けてくださいね」
「お、俺のアタマを潰すってか?」
冗談ではない。。。
「首なんかねじ切られそうだな」
「多分、首が1回転すると思います」
私は背筋が寒くなった。
処理済~プレス嬢(右)とジャン妻(左).jpg
左がジャン妻、右がプレスお嬢さまです。
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雪で家から出られません [人間ドラマ]

振り返る2.jpg
凄い積雪でした。
上州全体が雪国ではないのですよ。雪が降るのは沼田から先の水上方面や、万座や草津の方です。平野部の市内はあまり降らないの。寒いだけ。
だから2月の大雪はかなり想定外だったようでアクシデントが続出した。私は絶対何か不測の事態が起きると思って枕元に携帯置いといたんです。
大雪の土曜日朝、携帯の振動音で起こされた。Aという上州の子からだった。
Aは聖なる酔っ払いオンナというキャラで過去に登場しています。酔っぱらったような口調で、
「朝早くからすみませぇん。実はぁ、○○方面の子たちぃ、雪で誰も出勤できないんですぅ」
「やはりそうか。凄い雪だからね。君は大丈夫か?」
「アタシは体調崩しましたぁ」
風邪らしい。さては酔っぱらったような口調は風邪薬のせいだな。私は他の子達、主要メンバー、離れたところに住んでる子を数人名前を挙げ、「俺の携帯に電話するよう伝えてくれないか。アイツとコイツは大丈夫だろうが最も雪深いとこに住んでるのは誰だ?」
「それは、Tさんだと思いますぅ」
「Tか・・・。アイツは無鉄砲だからなぁ。連絡くれるよう伝えてくれ」
「はぁい」

各人から連絡が来たが、いずれも耳を疑うような凄い報告内容だった。山に近いところに住んでる社員が数名、家に閉じ込められたのです。
「家から出れません」
「玄関のドアが雪で開きません」
「家から出れたんですが、そこから先の道が道じゃなくなりました」
市内平野部に住んでる社員で無理してくるまで出たヤツがいて、「雪を巻き込んで故障しました」
「TVが映らなくなりました」って言って来た子もいたね。俺は東電じゃない。そんなん俺に言うなよと思ったが、積雪による停電を心配した。

後で現地の女性幹部が言うには、「雪もそうだけどその子の性格ですよ。アタシだったらこの程度の雪だったら突っ込んでます。若い子は運転が慣れてないのもありますがそれ以前に家から出よう、職場に来ようという気がないんですね。気が弱いんだから」
厳しいですね。でもそんな気の強い子ばかりじゃないし、親も心配するし。

数人と連絡が取れた。やはり性格的なものがあって慎重な子、気の弱い子はじーっと大人しくしてるのがわかった。
逆に日頃からふてぶてしい子や、昨日のバルタン星人の絵文字を送って来るような子は開き直ったように、「無理です」、「家から出れないんだから仕方ないじゃん」という感じだった。

ひとり気が強く無茶をしがちな無鉄砲女がいる。前述の会話に出たTという子。
前に登場した。20台前半の若さで3回事故って今は4台めのくるま。借金が400万近くある子。3回めの事故はブレーキとアクセルを間違えたというモノだった。今は大分慎重な運転になったようだが、私は過去に「駅まで載せてあげます」を2回ほど断って傷つけている。
榛名の山に近いところに住んでいる子でまさかこの大雪を強硬突破してこないだろうな。
Tから連絡が来た。

「生きてるか?」
「生きてますよっ」
「家から出れるか?」
「出れません。今まで家の前の雪かきしてました。凄い雪です」
「裏道なんかないよな?」
「なくもないんですが・・・」
「いや、止めといた方がいい。お前の運転はアブないし家の前の道は林道だろ?舗装されてないだろ?裏道ったって森ん中の道なき道を強硬突破しなきゃなんないから・・・」
「違いますっ。林道じゃありませんっ。舗装されてますっ」
これだけの大雪だと舗装、未舗装は関係ないけどね。

「他の方はどうですか?まさか皆さん出勤されてるんですか?」
「いやぁ無理だよ。○○や○○とも連絡ついたんだがやはり行けないって言ってた」
「○○さんと○○さんとこは住宅地だから、主要幹線道路と違って除雪車が入れないんです」
「除雪車が入れない?」
後で聞いたら、住宅地は身動き取れなくなった自家用車が乗り捨ててあり、それがジャマして除雪車が通れないらしいんだな。
「住宅地って・・・お前んトコは住宅地・・・じゃなかったな。森の中だったな」
「森の中というか・・・まぁそうです。木が多いです。さっきから何かひっかかる表現ですねっ。○○さん(私のこと)ウチをバカにしてません?」
「いやいや、してないよ。こっちは東京にいて状況が見えないから敢えてそういう例えをしてるだけさ。除雪車は入りそうか?」
「除雪車は来てないですが、さっき家の前をブルドーザーが通りました」
「ブルドーザー?お前が運転したのか?」
「アタシじゃありませんっ」
このブルドーザーネタが後日尾ヒレが付いて広まった。誰がまき散らしたのか、T自らブルを運転して雪かきしてたら勢い余って隣の家を破壊した、森の木々を薙ぎ倒した、雪崩が起きた、凄いネタに化けて伝わった。

しょーもない会話が続く。
「前に猪が出たって言ってたな?」
Tの家の敷地内に猪が現れて騒ぎになったことがある。
その時私は、「その猪、お前がバキッと締めて鍋にして喰ったんだろ。猪鍋は美味いぞ」ってからかったらホントに食べたことがあるらしい。
「食べたのはそのとき庭に出た猪じゃないですよっ。他所で食べたんですっ」
「じゃぁそういう肉を冷凍して備蓄してあれば食料は大丈夫だな」
「何言ってんですかっ。そんなもの食べなくてもフツーに食べるものぐらいありますっ」
「お前はよく喰うから・・・いやいや電気は点くのか?」
「今また何か失礼なこと言いかけましたねっ。大丈夫ですっ」
「かがり火とか、ろうそくとか」
「電気点きますっ」
「しばらく家から出れなさそうだな」
「家からは出れるようになると思うんですがその先の道路が・・・。これじゃいつから出社できるかわかりません」
「有休あんだろ?」
「あります」
「また春に付与されるから。こういう時は有休使うしかないさ。何かあったら連絡くれ」
「ワカリマシタ」

Tは翌日、父親の運転で買い出しにでかけたがやはりアブなくて引き返したらしい。もっとも買い出しに行ったところで流通がマヒしてるから商品があったかどうか。
「父に言われました。お前の運転じゃまだ無理だって」
「無理なのは運転技術もそうだが性格だろ」
「どういう意味ですかっ」
「過去の事故だよ」
「そ、それを言われると。。。」

この会話、知らない人が見たら私がからかい半分おちょくってるように見えるでしょうけど、外部と遮断されてるのを勇気づけるのもあって、わざとバカっ話をして会話を長く引っ張ったのもあります。誤解しないようにお願いします。

Tは山沿いの子ですが、平野部は大丈夫かと思ったらトンデモない私の認識不足だった。Nという女性(笑ふ女)から連絡があり、
「家から出るには出れたんですが、雪がアタシのま、ま、ま・・・」
「ま、がどーしたっ?」
「ま、股下まであるんですぶふふふっ(笑)」
何を笑ってやがる。
「じゃぁ歩くこともできないのか?」
「何処まで行けるか歩いて行ってみます」
「何処までいけるかって、途中で遭難したらどーする」
「道路はくるまが走った跡かあるので大丈夫かなっと。支店の雪かきもしないと。明日行ったら支店が雪に埋もれてたらタイヘン。ぶふふっ(笑)」
くるまが走った跡???
車道を歩くつもりかよ。心配して感心して呆れたが、やはり若い子と違ってそういう時代遅れの根性がありますね。夕方にメールが来て、吹雪ん中を1時間歩いて支店に到着、雪かき4時間だって。

他はイチイチ書かないが、結局は殆ど臨時休業になりました。

週明け月曜に電話があって、
「雪かきで筋肉痛になりました。身体が動きませんぶふふっ(笑)」
「4時間も雪かきするからだっ」
「途中、休憩しましたけどねっ。ぶふふっ(笑)」
「でも翌日に筋肉痛になるのは若い証拠さ。俺なんかその場でなるか翌々日からだよ」
「ぶふふっ(笑)でですね、あの、あの、・・・」
「何だ?」
「これ(筋肉痛)って労災になるんですかね?ぶふふっ(笑)」
「ならないと思うよ」
「あ、ハイ、言ってみただけです。ぶふふっ(笑)」
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俺だけの轍 [人間ドラマ]

2階の展示室から降りた。
帰りの信越線上り3時16分までにタクシーを再度呼んで安中駅まで戻らないといけない。往路も時間かかったし、坂上れないし。余裕見て連絡しないと。
1階フロアに降りて男性の職員さんに、「拝観終わりました。タクシー呼ぶから来るまで中にいさせてください」
と了承を得てタクシー会社に電話したら無線配車係の女性が出た。
「ああ、行く時もご利用された方ですよね・・・」
これでで通じたぞ。
通じたということはこの悪天候に学習館を見に行った何処からか来た閑人の帰途かと噂してたに違いない。
私は「そうです。最後の坂は上れないからそこまで下りていきますよ」と譲歩した。
「では到着する頃にお電話しますので」で交渉成立。
振り返る1.jpg
振り返る2.jpg
外は雪のせいか静まり返っている。
シンシンと降る雪を眺めていたら、何で自分はこんな日にここにいるのかなと思った。我ながらヒマ人である。
私は己を棚に上げ、高い高い棚に上げ、こんな日に館内の職員さんは何してんのかな?って思った。何かのお仕事をされてましたよ。留守番かな。どうせ今日の入館者は私だけだろうにさ。もう誰も来やしないよ。市内の居酒屋みたいに早じまいしちゃえばいいのにさ。入場料100円は帳簿に記載されるのかな。館内に落ちてた小銭を拾ったようなもんだよな。それでも営業日報の前日残高にプラスされ今日の売上100円って記載されるのかな。。。
館内の掲示物を見ながらヒマなことをブツクサ考えてたら女性の職員さんが執務室から出て来た。
手にスコップを持っている。
「何処からお出でなさったんですか?」
東京からです」
「まぁ、東京方面からお出でになったんですか。新幹線動いてましたか?」
「こんな天気なので早めに先入りしたんですが。。。」
「お帰りは?」
「大丈夫、今夜は泊まります。夜までまだ時間あるからタクシーと電車でT市に戻ります」
以前、上州に住んでたって言っちゃってもよかったんだけどね。そしたらその女性職員さん、スコップ持って外に出ていったんです。雪かきというか、人ひとり通れる道をゴソゴソ作り始めた。
???
もしかしてそれは、タクシーが来たら私が歩く道ではないか。
雪かきを始めた.jpg
私は慌てた。
「えっ、いいですよっ。私だけですからっ。来た時も大丈夫だったけど何とかなりますっ」
「でも滑るとアブないですから・・・」
意に介せず堀りだした。
オバちゃんはフードも被っていない.jpg
轍が伸びる1.jpg
胸が熱くなった。
俺だけなんですよ。こんな悪天候でもう他のお客が来るわけない。止せばいいのに訪れた私だけの為に道を作ってくれてるんです。
雪かき雪かきしてるオバちゃんがどんどん視界から遠ざかり小さくなっていく。往路時にタクシーが上れなかった坂の下の方へ雪かき雪かきしながら下っていった。
轍が伸びる2.jpg
この記事の原稿を書いてる日、私は前日の雪かきで腰をヤラれ、腰痛に苦しみながらキーを打っている。
止せばいいのに家から離れた公道の坂の雪を同じ町内に住むオッさんとかき分けたの。その坂は新雪の下に凍った雪氷が張ってあって、それを坂の下から上に向けて押し出したら腰がビビッと来た。
「あっ、ヤッたっ」って思ったよ。そしたら夕方から痛み始め朝なんかすぐには起きれなかった。ロキソニンとテルネリンを服用、腰にはモーラステープ2枚貼って無理矢理痛みを散らせた。
今でも時折鈍痛がする。トシだねぇもう。

腰を痛めるとご近所の残雪を眺めながら住民の雪かきの仕方や性格、思いやりの有無がようわかりますよ。ウチの斜め前の家なんか自分トコのガレージ屋根の雪が隣りの車庫にドサドサ落ちてるのに、自分の車庫の前しか雪かきしてないからね。
私の知る限り、神奈川、特に横浜人はドライです。私もそうだった。でも上州にいた1年で少しだけ変わったつもり。上州には私の目の前で雪かきしてるオバちゃんのような人がたくさんいたからね。
オバちゃん、後で腰に来なかっただろうか。

タクシー会社から電話が来た。「もうしばらくしたら着きます」と言う。男性職員さんに「どーもでした」と声掛けして外に出た。
俺だけの轍.jpg
振り返る3.jpg
オバちゃんが私の為だけに作ってくれた轍である。
タクシーが来た.jpg
オバちゃんは坂の下にいて私に手を振っていた。傍らにタクシーが停まっている。そのタクシーまであと数メートルで轍は途絶え、そこから先は未成線状態だったが。。。
「すみません、もうちょっと数メートル足りなかったですねぇ」
「大丈夫です。ここまでして下さってすみません。ここから歩きます。ありがとうっ」
私は感激しながらに内心、「オバちゃん惜しいっ、タクシーまでもうちょっとだったねぇ」って思ったのは図々しいところではある。でもここまでの労に感謝してタクシーに乗り込んだ。車内から手を振ってお別れした。

往路と同じ運ちゃんで、こんな悪天候なのに、それともこんな悪天候だからか、ひっきりなしに無線が入る。運ちゃんにしてみたら配車係の女性の声が無情に聞こえるのではないか。
「〇〇方面1台いませんか?」
「・・・」
「△△方面の道は走行可能ですか?」
「行けるよ。今、近くまで行ったから」
「いやぁ、スミマセンねぇ」と私。
「いえいえ、こういう日の方が呼ばれる数、多いんですよ」

上り電車がきた.jpg
安中駅からの上り電車は10分以上遅れた。
でも妙な満足感があった。徐行運転の信越線車中で私の脳裏に浮かんだのは、未だ見ぬ蜃気楼(おそらく実物は見ないだろうな)と、私だけの為に轍を作ってくれた雪かきオバちゃんの後姿。。。
オバちゃんにしてみれば至極当然のことだったのかもしれない。私は自分に置き換えた。幾何十人、何百人の見学者、来訪者の日があるだろう。反面、今日の私みたいにたった一人の見学者の日もある。いずれも滑らず転ばず無事に還って欲しい、数ではない。同じということです。
日々の客数、売り上げだけでその日がどうこう振り返ることの何と愚かしいことか。
最上にもてなされた見学だった。。。
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聖なる酔っ払いオンナの運転 [人間ドラマ]

珍しく生ぬるい湿った気候で上州に雨が降った。
その日は月イチの営業会議が開催される日だった。その日の午後、私は、「もう嫌~、辞めたい~」と泣く女性社員の事情聴取と、叱咤を兼ねた慰留の面談に赴き、
「甘ぇよ!!そんな理由で辞めて他へ行ったって、結局また同じ理由で辞めることになるぜ」
突っぱねちゃったんです。それが終わって会議が開催される市内に戻らなくてはならなず、1時間に1本の路線バスも出てしまって最寄駅までタクシーで行くしかない。そしたらその泣いた子の同期の女の子健康そうなデカい声を張り上げた。
「○○さん(私のこと)!!お店の営業終了までいたらアタシが乗せてってあげますっ!!」
その子は気の強い子でやはり2年前に「辞めたいチキショー」と言って来たのをやはり私が、
「甘ぇよ!!そんな理由で辞めて他へ行ったって、結局また同じ理由で辞めることになるぜ」
3年辛抱しろって説得したら結局辞めずに今日に至っている。
その後で半年くらい経ったら自分の立ち位置を確保できたようで時折私に懐いてくる。その子の好意で「乗っけてってあげます」とはいうものの。。。
その子はちょっと心配させる子でして、ここ3年で4回もくるまを変えているんです。3回事故った。

私らが赴任する前、まだ短大の頃に2回事故り、社会人になって私と知り合ってから通勤時間帯に事故ったので、私は通勤労災だったか自賠責だったか、そういう処理を教えた。
幸い怪我はない。全部自爆なんです。本人も見るからに頑丈な体格、骨格なのでかすり傷ひとつ負わず、軽い打撲で休むことなく出勤している。若いだけに回復も早かった。
だがくるまがないと何処にも行けない榛名の山奥に住んでいるので、仕方なく中古・中古・中古・また中古の繰り返しで今は4台め。。。
社会人2年で借金が400万近くあるという。
「まさかタチの悪いマチ金から借りてねぇだろうな」
「親です」
「ああ、そう。じゃぁ嫁に行くまでに返済すればいいさ」
「行けるでしょうか。。。」
「いつかいい人が現れて心が動く日が来るさ。それが人の世というもの。。。」
「へぇ。。。じゃぁ〇〇さん(私のこと)の言うことを信用します。もし現れなかったら〇〇さんを一生恨みますからねっ」
「俺は可能性を言っただけだ。責任持てねぇよ」
辞めたいって泣いてたクセに今はこういう口を利きやがって・・・話を戻します。その子の前科・・・というワケではないが、過去の事故を思って私は同乗するのを躊躇しちゃったのね。
「ありがたいが・・・」
「・・・」
「ご遠慮つかまつる・・・」
「ええっ!!どーしてですかぁっ!!」
「イヤだまだ死にたくねぇ。ご厚意だけ頂戴します・・・」
周囲は爆笑になったが、本人はマジメに私を乗せようとしたらしく真っ赤になっちゃって、〇〇さん(私のこと)はアタシの厚意(好意か?)を踏みにじるのねという恨めし気な表情に。。。
私は弁解した。
「いやいや、死にたくないっていうよりもさ、君んトコと市内とは方向がまるで違うじゃないか。そんなん悪いし夜道は暗いし、親御さんが心配すっからさ」とゴマかした。
殆ど親の脛かじりみたいな子なので不承不承頷いた。
そしたらもうひとり、「じゃぁアタシが乗せてってあげますっ」名乗り出た子がいる。
A(仮名)としておきます。
聖なる・・・1.jpgAは過去に聖なる酔っ払いオンナという通称で数回、登場した。
お酒が大好き。
初めて会った時はヘンな飲み方して潰れたが、その後はペースを保って飲んでいる。
何で聖なる・・・になったか。単に左写真、ルトガーハウアー主演の映画にひっかけただけです。
過去記事です。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-02-23-2




処理済~聖なる酔っ払いオンナ.jpgAは細身、病人のような色の白さで長い黒髪。目が大きく目力が強く、目の周囲のくま?メイクも独特で、やつれているように見え、まるでキリスト教弾圧時、十字架に向かう殉教者のように見える時がある。気が強い。
Aも会議に参加するので、
「アタシ早番だし。方向、同じだし。。。」
「そうだね」
乗せてってくれるのは助かるが・・・私はまた別の理由で困惑した。
これで再び断ったら2人の女性の好意を無下にすることになるので私は「じゃぁ、じゃぁ、お願いします。。。」と受けたが、心中で、大丈夫かなと思った。

Aは飛ばすんですよ。
夜間当番で私と組んで22時過ぎに支店の駐車場で別れ、別々のくるまで走ったことがある。
地元の夜道に不慣れな私はAの運転する軽の後から付いてったのだがみるみる引き離され、メーター見たら一般道で80km出してましたね。
一般道ったって片側2車線あるようなバイパスじゃないですよ。広域農道です。真っ暗。街灯なんかないです。月明かりと星空のもとです。道の両脇は田んぼで、昼間走ると農業車優先の表示がある道です。
その時はアブなくなったので私はAのくるまに付いて行くのを断念した。アクセルを緩めたら車間距離がどんどん開いていき、いつの間にか闇に消えていきましたね。
私は内心、Aはギョロ目だが夜目が効くのかなと。藤沢周平の短編で暗殺剣虎の目というのがあって、その極意は「闇夜ニ剣ヲ振ルウコト白昼ノ如シ、暗夜ノ物ヲ見、星ヲ見、マタ物ヲ見ル」というもの。Aは暗殺剣の伝承者の家系ではないかとバカなことを考えたよ。
後で周囲に、「アイツは何であんなに飛ばすんだ?」と聴取したら、「内々では有名です」というんだな。

周囲は「いいですねぇ。美人のAさんの助手席に乗れてぇ」俺を冷やかす。
「・・・」
「でも彼女、トバしますよ」
「うん・・・」
時間が来た。私は覚悟を決めて黙ってAの助手席に乗り込んだ。
「土禁か?」
「いいえぇ」
このサイドシート、誰か決まって乗る人いないのかなと野暮なことを考えたが言わなかった。Aは「アタシは性格がキツいから一生結婚しない」と平気で言うので。
Aは走り出した。

コイツ、飛ばす飛ばす。
私は滅多に誰かの助手席には乗らないが、乗るからには運転手にあーだこーだ言わない。その時の運転手を尊重します。
ジャン妻は「もっとスピードを落としてよ」、「何でこんな細い道に入るの?」とウルサい。私は一切そういうことは言わない。言うと運転手のペースを狂わすからです。
処理済~飛ばすなぁ1.jpg処理済~飛ばすなぁ2.jpg
それにしても飛ばすな~。
雨降ってんだぜ。細い一般道を80kmも出すなよ。この県は交通課の警察が多いんだよ。捕まったらどーすんのさ。
でも言わなかった。言わないのをいい事にAは信号変わる直前に加速し、交差点でもあまり減速しないので助手席の私の身体は左右に揺れまくった。

しばらくしたら本線、バイパス(環状道路)に入る十字交差点に差し掛かったんだが、信号が赤なのを確認したAは「揺れますよ」とひとこと言って左に急ハンドルを切り、図のようにファミレスの駐車場を斜めにショートカットしてバイパス本線に突っ込んだのである。
暴走オンナの軌跡.jpg
私はエッ!!って固まったが、Aはアタリマエみたいにクールな顔してハンドル切ってましたね。絶対に普段からこういう運転をしてやがるな。ファミレスとか、コンビニとか。

それから本線に出て水を得た魚のように飛ばす飛ばす。チェンジングレーンの繰り返しで80kmを維持。烏川を渡ったらようやく帰宅渋滞にハマってストーップ!!
聖なる酔っ払いオンナが暴走運転オンナに。でも本人はクールで平然としてました。
「着きましたよ」
「・・・ああ、ありがと・・・」
「じゃぁアタシ、その辺の駐車場に停めてきますから」
Aはニコッと微笑んだ。
私は、飛ばすねぇとも言わなかったし、そんなに飛ばすなよっ、とも言わなかった。80km以上は出ない、出さないらしいです。
私は上州で3回、警察(交通課)に捕まってるんですけどね。後でそれをAに言ったら、「ええっ!!そーなんですかぁっ!!」
自分の運転をタナに上げてビックリしてた。私自身の運転ネタ、ドジネタはまた項を改めて。
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ある女性のこと。。。 [人間ドラマ]

横浜市庁舎.jpg
写真は横浜市庁舎ですが、この記事と直接の関係はございません。年末が迫り、年内期限の最後の申請に出かけた。
市区町村ではなく県です。いち支店の存続がかかっているトテモトテモ重要な営業更新申請なのだが、敷地の境界に若干説明を要する箇所があって、前回の6年前にもそこを突っ込まれて苦慮し、他行政から証明書や協議書の写しを取り寄せたりして、パスするのに時間がかかったのである。
相手も6年前とは担当者が変わっている。今回も郵送では不可と判断し、会社側からも、「そこは上手くやってきてください」、「強気でお願いします」と託されたもの。
期日ギリギリに持って行くと何か不備があった時に危ない。期日の前週に行った。

相手とは顔見知りだが、心配された箇所はこっちの予想に反してすんなり通った。「ああ、ここは街づくり推進の為の公開空地なんですね」でアッサリとパス。
「では内容を確認してきますので少々お待ちください」
そしたら過去の届出について不備が見つかったのである。私の申請書にない人が登録されているというのだ。
「誰です?」
「Wさんという人です」
「Wが・・・???」
Wは私がこの業界に入ったばかりの時、最初の師匠なんです。ド新人だった私が付いた人。女性です。
でも今はもう鬼籍に入ってしまった。不治の病を患い引退してその年のうちに亡くなった。
「Wは既に亡くなりまして・・・その際に私はこの店舗から外す届出を出しましたが・・・」
「ええっと、そうですか・・・???ではこちらの処理が遅れているんでしょうか。その時の控ってございますか?」
届出は正副とあって副はこちらの控です。受付印を必ず貰ってこちらの記録、控とします。
「会社に戻ればあります」
「ではお手数ですがそれを後日、FAXしていただけますか?郵送ではなくいつも窓口にお見えになられてますからこちらも間違いないとは思うんですが・・・」
郵送ではなく窓口・・・これも顔パス効果ですね。だがWの届出が出てる出てない如何ではこっちの大事な更新申請の処理が止まってしまう。行政というのは書類が全部揃わないと処理を進めないんです。早急に確認することにした。

だが。。。
会社に戻って確認するのがウザったくなった。。。

どうも最近の会社はいろいろゴタついて居心地が悪い。上州から戻って一匹狼みたいになった私は「我関せず」を貫くしかないのだが、それでも相当な雑音、剣呑な私語が耳に入って来る。
戻るのがイヤになり電話して調べて貰うことにしたが会社の人員も様変わりしてしまい、Wを知ってる人は殆どいない。雪子もハデ子もWは知らない。仕方がなくジャン妻に電話した。
「○○店の過去の届出記録を見てWさんを抜いた届出の控を探してくれ」
「Wさんの?」
「抹消されてなかったらしい。亡くなった後で届出を出した筈なんだが・・・」
ジャン妻はしばしパラパラ頁をめくってた。
「亡くなったのっていつ頃?」
「上州に行く前の年じゃなかったかな」
そしたら発見された届出の控、受領印には25年6月になっていた。
(25年6月???)
今年かよ。Wは私が上州に赴任する前年に亡くなってるんです。私も迂闊だが今年の6月だと上州から戻って来たばかりで、そこで思い出したように届出したんだろうか。
行政の手落ちには違いないが、こっちもあまり強くは言えないな。
「その届出をQQQ店にFAXしてくれ」
「QQQ店へ?」
「そこで受け取って再度、引っ返す」
QQQ店とは私が今から移動したとして最も近隣の支店です。そこで受け取って再度、取って返そうとした。
だがQQQ店にはWを知ってるYという古参女性社員がいて、彼女がジャン妻からのFAXを見たら、「何これ?Wさん??」多少はオドロくだろうな。

QQQ店へ行く道すがらは氷雨がパラついていた。寒い。
向かう途中で久々に思い出したWのことを考えた。ド新人だった私がこの業界で初めて付いた人。マジメな超天然、周囲が「何やってんだアイツ?」って思わせるようなことでも本人は大真面目でそこがウケてた部分もあったが、かなり空気が読めない人で、会議で見当違いな質問、意見をブッ放したりするので後年はやや敬遠されてた。
しょーもない一例を挙げると、富士サファリパークと群馬サファリパーク、多摩動物公園と東武動物公園の区別がつかなかったり、PCのプリンタドライバーインストールしようとしてプラスマイナスのドライバーを差し出したり、PCがフリーズするとすぐさま電源を切ったり、私への差し入れだと言って買って来た缶コーヒーホットを、「冷蔵庫に入れてあるからねっ」って冷やしちゃったり、「○○さん(私のこと)はお砂糖とミルクは要らないわよネ」って言いながら私のブラックを真っ先にガブ飲みして「マズい」と叫んで吐き出したり・・・
他にもたくさん逸話があたがもう覚えていない。

QQQ店に着いたらWを知るYが、「何これ?」
「Wさんを外す処理が洩れてたらしい。こっちは届出したんだよ。ホレ、ここに受付印ある」
「それって行政の怠慢?」
「まぁそうとも言えるが手違いだろうな・・・ったくWのヤツめ、死んでも尚、俺を煩わせるように亡霊みたいに出てきやがってからに」って悪態ついたらYは哀しそうな顔をして、「そんなこと言っちゃダメだよぉ・・・」
「今のは悪い冗談だ」
「いい人だったよね・・・」
「アタリマエだ。あれで悪けりゃどーなる」
「またそんなことを言って・・・」
しばしの沈黙の後、私は己の暴言を打ち消すように、「まぁたまには思い出してやらんとな・・・」
「そうだよ・・・」
「日に日に面影が遠ざかる。久々に思い出した」

(このYは過去に登場しています。
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2010-12-14-1
退職したけどワケありで出戻って来たんですよ。)

Wが入院した際、私はWを抜き打ちで見舞おうとその病院に行ったが、個人情報保護とか言われて案内して貰えなかったのである。
ある時期から連絡が来なくなり実家に電話したら、「亡くなりました」って言われた。
「そっとしておいてください」とも言われ、墓参りにも行っていない。

私は先刻の行政窓口に引き返し、「Wを抜いた届出ありました」自信満々に見せた。
「!!!」
先方は恐縮してた。
「申し訳ありませんでした。では今日の届出は大丈夫です。ホントすみませんでした」

外に出たら氷雨は上がっていた。
雲の切れ間から覗く青空にWの笑顔が浮かんだ。
雲の切れ間に.jpg
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ある行政の女性のこと。。。 [人間ドラマ]

東京都庁.jpg
写真東京都庁ですが本記事と直接の関係はありません。
ある行政担当官の話をします。仮にAさんとしておきます。
Aさんは女性です。首都圏内東京神奈川千葉のどこかの某役所の方。ウチの社ではもっとも煙たがられている行政担当官。書類の審査や指摘、指導が厳しいので社内でも有名なんです。

Aさんの担当する管轄は広く、そこにはこっちも支店が幾つか複数あって訪れる私の回数も多かった。しょっちゅう社員の出入があってその度に届出に行かなくてはならず、行けば必ず何処の役所よりも長いAさんの持論、講話を拝聴しなくてはならない。
講話中に同席したひとりの取締役が、Aさんのあまりの長話についうっかり居眠りをしてしまい、「失礼ですね。あの方は二度と連れて来ないでくださいね」って言われたケースもあった。

Aさんが支店にフラッと抜き打ちに現れて指導、監査に入った時なんかタイヘン。
30分から40分近くも時間を取られてかなり緊張を強いられるそうです。こっちは早く帰って欲しいのに長い時間拘束されてアレコレ指摘され、「ハイハイ」聞いているしかない。指摘された改善結果も期日を切られてそれまでに報告しなけりゃならない。
会社の上層部はAさんを敬遠してある日突然、担当が私に代わったのだが、私も他所では言われない内容不備をズバズバ指摘されるので最初は辟易した。
でも言い換えれば他所の行政がちゃらんぽらんなワケで、何処よりも厳しいAさんの指摘事項の通りに施行、作成すれば他所では殆ど不備を指摘されなかった。まぁAさんは仕事熱心なんですよ。

部下にも厳しい。
後輩に厳しのはわかるけど、役場で雇用している嘱託契約っぽいオバちゃんにも厳しい。「アナタがきちんと責任持って受け付けてくださいっ」って叱りつけてたのを見たことがある。
言われたそのオバちゃんは今でもいるが、たまたまAさんが不在時に行くと、「Aが何て指摘するかわかりませんが・・・」っていつもオドオドしてた。顔色うかがってましたね。

Aさんの過去記事です。3.11にちなむ内容です。
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-09-10
私はこの記事の時、いつも厳しいことをズバズバ言うAさんの真の姿、人間性に触れてしまい、その後の対応に感激した。それまであった良くない印象も氷解したし、この時の対応に今でも感謝してる。
受話器に向かって舌鋒鋭く言うAさんは今でも脳裏に焼き付いています。弱者の味方だったといっていい。
この記事でAさんに助けられた現場社員は原発のない土地に去ってしまったが、その時、私はその社員を抜いた届出を持参している。
「アイツは辞めました」
しばしの間があって・・・
「そうですか。何処へ行かれたんですか?」
「結局は原発のない西の地方へ行ったんです。まぁ本人が決めたことですし当人の人生ですから・・・その節は尽力していただきありがとうございました」
「残念ですわね・・・」
当時のドラマは幕引きになった。

Aさんは私が上州に赴任している1年間で異動になったらしく、今年の春に行ったらいなかった。

いなきゃいないでAさんは社内伝説みたいになっていた。社の連中はAさんをお局様みたいに悪口言う時があるが、連中が私に同意させようと水を向けても私は絶対に付和雷同しない。
「俺はあの人の真の姿を見てしまったからそうは思わんよ」
私も人の悪口を全然言わない人間では決してないのだが、皆で誰かターゲットを決めて言うのは嫌いなんです。

Aさんが去った後の役場に午後4時半に行ったら、前述のAさんに叱られた女性に、「今日は早く帰る筈だったんですがねぇ」って嫌味を言われたことがあるんだな。
あのねぇ。
緩んでやがるな。ダメだなAさんがいないと、Aさんが異動になってアナタ喜んだでしょって勘ぐったよ。
(この女性とも私は最近親しくなり、外の通りでバッタリ会って挨拶したり窓口で世間話くらいはするようになった。この時はたまたま早く上がる用事があったのかも知れない。)

Aさんが去った後、Aさんに厳しく鍛えられた後輩さんが1人と、入れ替わりに異動して来た担当さんが2人、計3人ですね。その方たちはさすがに丁寧な応対をしてくれる。
ある届出で私は悪戯心を出し、「役員の診断書原本はこちらに提出しますが、実は今日か明日、○○○に新規出店するので別の者が申請に行っています。そちらの診断書はコピーなので、もしかしたら○○○からこちらに問い合わせが来るかも知れませんよ」って言ったら3人の顔色が変わった。
○○○はAさんが異動した地なんですよ。
「Aから問い合わせが来るかも・・・」って一瞬、戦々恐々としたみたいだね。ひとりは「エッ」って顔を上げ、もう2人はお互い顔を見合わせてたから。
私は腹ん中でニヤニヤしてたがAさん恐るべしである。異動になっても厳しい伝説はまだ生きているらしい。

Aさんの部署への届出は、私の上州勤務中は若いモンが担当していた。その若いモンは私に、「あそこのAさんはご存じですよね」って私に言う。
「知ってるよ。世話になったし」
「話が長いんですよね」
「そうそう、自分の理想、こうあるべきだっていうのを延々とね。でも聞いてりゃいいんだよ」
進行過程で時折、上役の口から、「あそこはAさんがいるんだよな」みたいな雑音が聞こえてきたけど私は知らん顔してた。

若いモンはAさんにいろいろ言われたそうだがそれは誰が担当してもそうで、理想、展望、今後の医療の在り方とか。今後の教育みたいになっちゃったフシもあった。
でもその通りにやってりゃ上手くいくんです。
申請が通った時、「どうだった?」
「細かいです。いろいろ指摘されました。でも現場の検査の時は伊東さんと意気投合して語り合ってましたけどね」
伊東と語り合ったぁ???
伊東というのは現場を統括する伊東甲子太郎という理想理念派です。(でもザルです。)
「ああ、彼とAさんなら話が合うかもね」って言いながらも私は伊東に嫉妬した。しながらも「Aさんの真の姿を見たのは社では俺だけだぞ」って思った。

私はいつか来るであろうAさんとの再会を心待ちにしていた。先日、ようやくにして1年半ぶりに再会が叶ったの。
届出事項を持ってったらAさんは電話中だった。でも受話器を持ったままで私と目が合い、パッと明るく見開いたように見えた。
別の係の女性が対応しようと出て来られたが、私がAさんに視線を合わせたままなのを見て引いた。「この方(私のこと)はAさんが担当なのね、だったら出しゃばらない方がいいワ」って思ったんじゃないかな。
私も久々なので多少の緊張はしたね。
電話が済んでAさんが窓口に来た。私は、「どうも御無沙汰してます。その節は・・・」って言った。Aさんは無言だったが笑顔満面で私に頷かれた。
どちらの届出ですか?なんて他人行儀な挨拶抜きで要件に入り、こちらの目とAさんの目、顔と顔で通じ、私の届出も完璧だったし、1年半ぶりにAさんと会話しました。
印象に残ったのは、「間に立つ人が大事なんです。ネットによる販売とか、ドライブスルーのようなスタイルにはなさらないでくださいね」
Aさんにとってはあの震災直後の私との関わりはもう過去のいち対応でしかないかも知れないが、私は今でも感謝しています。
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笑ふ女 [人間ドラマ]

何かあるとすぐ笑ってごまかす笑ふ女というキャラがいる。過去に何回か登場した。
仕事はできるのだが、機転、応用力が効かないのとポカが少なくない。日々の業務を丁寧にこなしているのだが、捺印忘れや、記入不可欠の箇所をポロッとそこだけ抜けてたりっていうミスがあって、なんでこんな簡単なミスするんだ?っていうミスをする。
そこをこっちが突っ込むと、「ぶふふっ(笑)」って笑うクセがあって、先日もジャン妻に注意されてた。
「こことここの数値違ってるよっ」(ジャン妻)
「ぶふっ(笑)」
「ぶふじゃないっ」(ジャン妻)
「スミマセンぶふふっ(笑)」
「ぶふふじゃないっ」(ジャン妻)
みたいな遣り取りがあった。
ジャン妻は、ぶふふ女と呼んでいる。

「あのさ。。。」
「ハイ。。。」
「笑うのは心身にいいことだと思うよ。でも何でここで普通笑わないだろっていうタイミングで笑うのさ?」
「ええっと。。。」
「日頃っから洋画なんか観てても、ここで普通笑わないだろう、泣く場面だろうっていう場面でも平気で笑ってたりするんだろ?」
「ぶふっ(笑)、そ、そんなっ(笑)、泣く場面ではちゃんと泣きますよっ。こう見えても人見知りなんですっ。前は笑うどころか感情を表に出さなかったんですからっ」
「人見知りぃ?君がかい?」
「はい」
うそつけこの女と思ったが。
「じゃぁ今みたいにやたらと笑うようになったきっかけってあんの?」
「ええっと・・・」
「自信過剰に言わせて貰うとさ、昨年俺らがこっち(上州)に来てからか?」
「・・・???」
やや自惚れた私は、「俺と知り得たからだろ?」
殆ど自信過剰の私だが、それまでやや暗かったこの女性の心の窓を開け、氷解させた自負はあるよ。だって別の従業員複数に言われたモン。「〇〇さんが来てからですよ。あんなに明るくなったのは?」って。
だけど、返って来た返事は私が期待する返事じゃなかった。
「ぶふっ(笑)、残念ながら〇〇さん(私のこと)ではありません。ぶふふっ(笑)、前職で上司に言われたってのはあります。笑う時は笑う、その時の感情を表に出した方がいいよって言われたんです」
「何だ。俺じゃないのか。前の上司かい」
「ハイ。ぶふふっ(笑)、でもその上司、〇〇さん(私のこと)に良く似てました。なので〇〇さんは私の苦手なタイプじゃなかったんです。ぶふふっ(笑)」
「・・・」

その笑ふ女とイタリアンレストランでランチ中でおます。
こっちは不慣れなナイフとフォークをガチャガチャ駆使してたら、
「ぶふっ(笑)」
「笑うなっ」
「あっスミマセン…でも…ぶふふっ(笑)」
「話があるんじゃなかったのかい」
「ああ、ハイ。実はですねぇ・・・」

昨夜、上州での運営会議終了後、笑ふ女が沈痛な表情でやって来て、「お話があるんですけど」・・・そう言いながら一枚のメモを俺に手渡した。
密かに隠れて渡せばいいものを皆の前で堂々と渡しやがって。そのメモには上手な手書き文字で、「もういい加減に限界です。10日くらいリフレッシュの旅に出たいです」とか何とかプッツンした文言が書きなぐってあった。
会議終了は夜21時を過ぎるので、その後で場所を変えて話すにしても遅くなってしまう。上州の夜は一部を除いて早いんです。笑ふ女はシングルマザーだが主婦なので「後で連絡する」って言ってその夜は一旦、帰したんです。
私は上役に相談した。
「何か話があるそうです。プッツンしたメールが届きました。もう限界ですとか何とか」
置手紙、メモを携帯メールに置き換えて報告した。
「まさか辞めるのかなぁ。マズいぞそれは。話を聞いてきてくれ」という指示であった。

翌日の昼です。
「会談場所は何処がいい?」って聞いたら笑ふ女のヤツ考える気も無さそうで、「〇〇さん(私のこと)にお任せします」
お任せするったって・・・
話があるって言ったのはそっちだろうがっ。
「〇〇さん(私のこと)の方が詳しいでしょ、ぶふふっ(笑)」
私の知らない美味しい店を紹介して貰えるかな~と変な期待をしたが気の利かない女だ。期待した私がアホだった。
話が長引くのを予想して、オーナー&シェフがひとりで切り盛りして、料理ができるまで時間がかかる店をわざと選んだつもり。

まさか辞めるのかと思いきや内部告発・・・には違いないが、馬っ鹿馬鹿しい内容だった。ターゲットは店長。
「何それ?マジ??」
「ええ、そうなんです。」
「何でまたそんな・・・」
「よくわからないんですけど。何だかオカしかったんですよ」
「その場で本人に注意しなかったのか?」
「そ、そんなぁ、言えませんよぅ。ぶははははっ(笑)」
言い難いことを吐き出したら自分でも気が緩んだらしい。ぶふふ笑いが止まらなくなりそうなので、
「笑えないよ。話があるってのはそれなのかい??」
「まぁ・・・その・・・話のメインはそれです。それでなくても最近店長はだらしがないんで。子供みたいなんですよ。」
これだけだと全然わからないでしょうがスミマセン内容は書けません。内部告発で私が懸念するのは社内横領といった金銭トラブルやハラスメントなんです。それらは懲戒の対象になるからね。そういう最悪なものではなかったのでヨカッタ。

私が気になったのはむしろ昨夜のプッツンしたメモの方で、
「昨夜のメモに10日間リフレッシュ休暇取りたいってのはそれが原因かい?」
「う~ん…あれはちょっと言ってみたかったかな~ってのがあるんですけどっ(笑)、ぶはははっ(笑)」
「辞めたくなったんかと思ったんだぞっ」
「ああスミマセェン。でも昨日はホントこんな人と同じとこで働きなくないぃ~、異動したいぃ~って思ったんでぇ。でも今は大丈夫です落ち着きました。ぶふふっ(笑)」
内容はお話できないが辞める云々のネタでなくてよかった。異動ったって笑ふ女は現場の柱なのでそう簡単にはいかないのだよ。
他にも店内の人間関係のトラブルとか相談されたがそれは省略します。

記念に一枚だけ撮りました。 ↓
ランチプレート.jpg
話の中身は軽かったが、このランチ、見ためより重く、ズシッと来ましたよ。

喰いながら、喋りながら途中で気づいたのだが。。。
笑ふ女はあまり外食に慣れてないらしく、私と会ってランチに行くって事前に約束したのに殆どノーメイク。
服装もその辺のスーパーにでも買い物に行くようなカッコ。
私はやや憮然とした。もうちょっと俺を意識しろよ。

取りあえずこのランチ会を締めなければならない。
「ええっと、今日、俺がこうして昼を誘わなかったら昼飯はどーしたんだ?」
「家です」
「家でなにを?」
「あるもので。朝の残りで。ぶはははっ(笑)」
「・・・」
「〇〇さん(私のこと)みたいに店を開拓しないんですよぅ」
「郊外に出たりしないの?」
「生活圏内が半径20km以内なんでぇ。県外にも出ないです」
私は心ん中でこの田舎女めって苦笑した。

「あ、あのさぁ。君は俺がいなかったら今日みたいなくだらないネタは誰に相談するんだ?」
「ええっと・・・誰もいないですねぇ」
ただ、上役へのクレームだったので直接私に訴えてきたので別にルート的には間違ってないんですよ。
「そうか。誰もいないのか。昨夜の今日でまだ10日間も休みたいって思ってる?生活圏内半径20kmで10日も休んで何処へ遊びに・・・?ここは海が無いから南の島へとか?」
「いいですねぇ。ぶふふふっ(笑)」
「でも10日間もリフレッシュ休暇取っても7日め、8日め、9日めになったらだんだんとユーウツになるもんだぞ」
「でしょうね。そんなに休んだことないですけどっ。ぶふふっ(笑)」

会食場所は内緒です。
勘定は私の自腹です。私は従業員との個別面談で領収書をきったことは一度もありません。
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